「読み落とされがちな「喪」の物語」アバター ファイヤー・アンド・アッシュ aossさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 読み落とされがちな「喪」の物語

2025年12月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

知的

家族の死は、そう簡単に乗り越えられるものではない。
この物語には、前作から続くそうした感情が、深い深い底流に流れている。

それを見落とすと、主人公や妻、子供たちの決断を軽く受け取ってしまう事になる。今作は、まだ喪が明けていない時期の物語だ。少しは彼を許せない気持ちや、「彼のせいでこうなったのだから何とか」という感情が家族の中にあった、という解釈をするのは不思議ではない。それは子供にとって重い仕打ちであると同時に、家族全体がそれどころではないという緊張感を演出していた。

もちろん問題点もある。前作の家族の死に観客が十分共感できるほどのエピソードが不足していること、そして物語の途中から視点がスパイダー側に寄り、感情移入すべき軸が前後半で変化してしまう点だ。その結果、この作品が何の物語なのか分かりにくくなり、海外レビューでは前作同様「散漫な家族問題の物語」と受け取られたのだと感じた。「家族だから頑張ろう」だけで三時間共感し続けるのは、正直難しい。

一方で優れている点もある。過去作以上に、パンドラの住人たちの文化的背景が描かれていることだ。彼らがどのように生活し、何を信仰し、何と戦い、それを日常にどう組み込んでいるのかが見えてくる。映像美は前作で十分に証明されていたため、そこを深掘りしてくれた点は評価したい。やや物足りなさはあるが、これ以上描けば冗長にもなっただろう。

そして、どうやらこの物語には続きがあるらしい。
先を期待したくなる内容だった。アバターは劇場でこそ価値を発揮する作品なので、気になっている人には映画館での鑑賞を勧めたい。

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aoss
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