「3000円越えの価値はあります!ストーリーはちょっと微妙ですが…」アバター ファイヤー・アンド・アッシュ コレッキャ・ナイデスさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 3000円越えの価値はあります!ストーリーはちょっと微妙ですが…

2025年12月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

難しい

驚く

シリーズ第3作となる本作。
IMAXで鑑賞すると、3D眼鏡やハイフレームレート料金込みで3,000円を超える価格になりますが、それに見合った圧倒的な映像体験が用意されています。

<ヴィジュアル>
前作でも驚異的だったCG表現は本作でも健在で、美しい背景描写、豊かな表情を見せるナヴィ族、個性豊かな動物たちに至るまで隙がありません。表情筋の動き、筋肉のしなり、人に揺らされる植物の挙動まで丁寧に作り込まれており、まるで現地で撮影してきたかのようなリアリティです。

ハイフレームレートによって映像は非常になめらかで、スピード感あふれるアクションを“ぬるぬる”とした感触で楽しめます。
特に終盤、空と海の両面から展開される全面衝突の戦闘シーンは、迫力・情報量ともに圧巻でした。

一方で短所もあります。通常の会話シーンにおいても動きが滑らかすぎるため、本来なら些細な身じろぎで済むはずの動作が、過剰なリアクションとして映り、やや冗長に感じられる場面がありました。それでも総じて見れば、映像表現としての完成度は非常に高いものです。

久々に3Dで鑑賞しましたが、いわゆる演劇の書き割りのような“デコボコ感”はなく、キャラクターと背景の境界を自然に強調する立体表現になっています。冒頭10分ほどは違和感が凄まじいものの、次第に慣れ、奥行きのある映像世界に没入できました。
眼鏡ユーザーにとっては「眼鏡オン眼鏡」になるため重さは気になりますが、個人的には許容範囲でした。

<ストーリー>
一方、ドラマ面は正直合いませんでした。
主人公ジェイクは「軍人」と「父親」という二つの立場の間で揺れる人物ですが、父親として向き合うべき場面では軍人として叱責し、軍人として判断すべき局面では父親として優柔不断になるなど、判断が噛み合わない場面が多く、彼を軸としたドラマに感情移入しづらかったです。

また、主要キャラであるジェイクとクオリッチ大佐は、昭和初期的とも言える古い父親像として描かれており、加えてRDA社の大半はステレオタイプな悪役に留まっています。
単純なポップコーンムービーとしてなら分かりやすくて楽しめるのですが、本作はインディアンと白人になぞらえた、西部開拓時代の戦争を想起させる物語としても読めてしまう為、テーマの重さと描写の単純さにズレを感じました。

おそらく幅広い客層を取り込むために、多層的な物語を目指したのでしょう。しかしその結果、大衆向けとしては説教臭く、シリアスな作品として見ると脚本が粗く感じられ、構造的にうまく噛み合っていない印象を受けます。
加えて、ジェイクと大佐の対決も展開がワンパターンで、新鮮味に欠けました。

物語面では不満が残るものの、他に代えがたいヴィジュアル表現とスピード感あふれるアクションを体験できる、極めて稀有な映画であることは間違いありません。
“映像体験”として観るのであれば、間違いなくトップクラスの一本です。

コレッキャ・ナイデス
PR U-NEXTなら
映画チケットがいつでも1,500円!

詳細は遷移先をご確認ください。