「『シガーニー・ウィーバー』今度は母を救う」アバター ファイヤー・アンド・アッシュ ジュン一さんの映画レビュー(感想・評価)
『シガーニー・ウィーバー』今度は母を救う
過去二作は「IMAXレーザー3D」で鑑賞しており、
2Dは本作が初めて。
が、今回異なる方式で観たことで、
制作サイドが奥行きや立体感を強く意識していることを
改めて認識。
2Dでは、場面によって随分と平板な印象を受けたり、
背景がマットペイントだとはっきりと認識できたりとの
新たな発見も。
とは言え、常人の想像外の自然景色や、
クリチャーの造形への注力は前作以上か。
もっとも、3D前提に労力を使い、
美麗に魅せることに執心するあまり、
ドラマ部分が薄めになってしまうのは
過去作同様に残念な部分。
「ナヴィ」の中での、不満分子の登場が新機軸。
部族間の対立は元々あるものの、
「アッシュ族」は過去に「パンドラ」の神「エイワ」から見捨てられたと恨みを持ち、
他の部族を襲うことで生業を立てている。
族長の『ブァラン』は武器の供与と引き換えに地球人と共闘、
主人公たちに戦いを仕掛ける。
ただこの「アッシュ族」=『ブァラン』の設定がどうにも浅薄。
遺恨の背景もしかとは見えず、
神への怨嗟が他の部族に転化する理由も釈然としない。
物語りを進行させるために無理に造られた悪役にしか見えず、
なかなか世界観にひたりきれない。
監督の『ジェームズ・キャメロン』がこだわる
「愛」の賛歌は変わらず。
「ナヴィ」の家族や部族間を越え、
「パンドラ」に住まう生物にまでそれは及ぶ。
埒外の存在は侵略者たる地球人も、
中には良心を持つ者の居ることが救い、且つ
道化的な救世主の役割を与えて一方的な悪にしていないのは、
彼なりの配慮なのだろう。
「愛」を描くのに
自身の過去作、
〔エイリアン2(1986年)〕
〔ターミネーター2(1991年)〕
からの引用も。
前者は母と娘、後者は父と息子の関係性。
見え見えではあるものの、
上手く使い回している。
先住民と侵略者の二項対立は、
単純な勧善懲悪モノでもないし、
{西部劇}と同じ要素ながら
捻りも加えられているのは手柄。
三部作の掉尾を飾るに相応しくはある。
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