「飲み込まれる映像体験、素晴らしい。気になるところも。」アバター ウェイ・オブ・ウォーター mamiさんの映画レビュー(感想・評価)
飲み込まれる映像体験、素晴らしい。気になるところも。
公開日に観ました🌊
3Dの滑らかさ、質感、奥行きがナチュラルに物凄い。スクリーンから海水が溢れそう!って何度も思ったw
こんなに水がすごい3D映像を観たことないかも。
どこまでが実写でどこからCGなのかもわからないくらい。キリちゃんが好き!!
あまりにすごい映像、しかしリアルを追求すればするほど矛盾や違和感も出てくるように思えた。魚や貝は殺して食べていいのかな?とか、こんなに革新的な映像で描かれ、自然や生き物に畏敬の念と同等であるという意識を持つ「人間より進んでいる」とも受け取れるナビィたちだけど、しっかりネイトリ(前作ヒロイン、母なう)とキリちゃんが食事の支度をしてたwそこは女性の役割なのね、とか。
妊婦さんもお腹丸出しでも戦ってて「うああ大丈夫?!」ってなったんだけど、そんなに女性が強くても、でも料理は女性の役割なんやな、ってwプリミティブな生活に近づけば近づくほど、女性の役割は料理や出産、子育て等に限定されていくという傾向は、ある意味リアルというか現実的だよね…とも思えた。
こんなこと書くと、「料理くらいええやん」と思う人も多いと思う。またフェミかー、って。でも、料理「くらい」と言うなら尚更、家族全員でせっせと支度しててもよかったんでは。「料理は女性の仕事」。こんな革新的な作品ですら、そう描かれるのを子どもたちが観て育つんだなあ…って。
映像が凄すぎる故か、ひとつ面白い体験?をした。1からかなり経つし最初はナビィの姿に見慣れず違和感があったのに、馴染んでくると手足も首も長くて美しいナビィたちの中に1人混じる人間のスパイダーが段々子猿のように見えてきて。実際「モンキーボーイ」って呼ばれてて、ちょっと蔑称wわたしも含めて、差別心てこういう何気ない「見慣れなさ」とかから来るのかもと思ったりした。
しかし序盤でネイトリが「ポコポコ混血をたくさん産んだ」っていうセリフはひどすぎた。ポコポコ?混血を?たくさん産んだ、って動物みたいに。あの侮辱要るかなあ?女性であるために、ネイトリだけがひどい侮辱を受けるの耐えられなかった。作品の品性も落としてる。あれはなくてよかったなあ。
長男が亡くなったのもかわいそうすぎたし、結局海の民に迷惑かけまくりだし、スパイダーが父を助けたことも、葛藤や描き方が足りなすぎる。
素晴らしい映像体験ではあったけど、いろいろ気になる点もある作品でした。