「家庭にVRがあると目新しさ無し」アバター ウェイ・オブ・ウォーター ばるすパパさんの映画レビュー(感想・評価)
家庭にVRがあると目新しさ無し
タイトル通りです。
IMAXにて視聴。3時間退屈せずに楽しめました。そして映画としての出来も平均以上だと思います。その上で期待に届かなかったのがマイナス要素です。
前作は2009年。世間一般的にはWiiやDSのグラフィックで満足している人が多い中、最高のCGビジュアルはPS3のファイナルファンタジーや同時期公開のハリポタでした。そこに登場した前作は明らかにクオリティがはるか未来の映画でした。世界観、表現、メカデザイン等、どれもセンス良く魅力的。そこに障害を持った主人公がアバターによって異星人の優れた身体能力を手に入れ、現実とのギャップ、アバターで恋愛に葛藤する等、なかなか重いテーマの物語が合わさった名作でした。
あれから13年
まだまだ一般人への普及率は低いものの、世の中にはアトラクション、パソコンやPS5で超絶映像をVRで身近に体感する事が出来るようになりました。
前作に感じたぶっちぎりの映像体験は無くなり、質の高い3D映画を大画面の良い音響設備で見られるという良さは残しつつも、革新性はほとんど感じませんでした。正直、今のゲームの方が画面の大きさと解像度こそ劣るとも、革新性や表現方法においては優れていると感じました。
そしてストーリー。
3時間もあったのにひたすら映像を見せる事に力点を置き、前作に比べてキャラの見せ方がかなり浅くなりました。
個人的には前作を見て期待したのは「地球」の表現です。何故ここに来なければならなかったのか? 何故先住民を惨殺しなければいけないのか?
それらが今回もセリフでしか説明されていません。パンドラとの対比した地球の映像が見たかったです。前回より表現において驚きが少なく、ストーリー展開もほぼ一緒。新キャラも掘り下げ不足。
個人的に気になったのは監督の主義なのかアンチ捕鯨のメッセージが露骨。悪者でも何でもない企業のサラリーマンをあんなにも簡単に殺しまくる違和感。
次回作があるらしいので、そちらで今回の鬱憤は晴らされるのでしょうか。