「映像美。ただやはりソレだけ…かな。」アバター ウェイ・オブ・ウォーター キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)
映像美。ただやはりソレだけ…かな。
(一部ネタバレ含みます)
AEONシネマのHFR3D、VIVE AUDIOにて観賞。
前日に念のため1作目を久しぶりに確認。結果として、1作目の確認はしておいたほうがいい。
多くの方が書いておられるとおり、映像がすごい。特に海での描写は、気付くと観ている自分も息を止めているくらいにすべてのリアリティーが別次元レベル。
そういう意味で、映像がしっかり再現されている劇場、やはり3Dで観ないと意味がないというのが率直な感想。
正直、この★4つという評価はこの映像に捧げたつもり。
今回はアバター達が多数出演するため、前作よりは地球人の顔立ちに寄せてあって、見やすく、区別しやすくはなっている。
ただ、お話としては基本的に1作目の構成に家族愛を乗せた感じで、新鮮味は薄い…というか、ジェームズ・キャメロンってこういう構成の話が多いよなって。
1作目を公開当時に劇場で観た印象として、私がものすごく違和感を感じたのは、ジェイクとネイティリが愛情を交わすシーン。
まったく別の星で、文化どころかまったく異なる生物として生きてきた二人が、自然な流れで何も言わずにキスをする。
キスに特別な意味を持たせるのはやはりキリスト教的な習慣なんだろうし、さすがにそれは不自然だろと思ってしまった。
で、今作もそういう「メインキャラクターの行動がシレッと正当化される感じ」がかなり目立つ。
敵役の怨恨のために利用された、パンドラでの事業に携わる地球人もそうだし、結局のところ主人公一家も、たいして海の民族に貢献していないのに、大きな負担ばかりをかけることになる。
クジラ的なあいつとの一連も、もちろんいい話になっている一方で、当然「捕鯨」に対するメッセージではあるんだろうし、いつもの「賢い動物は殺しちゃダメ」という理屈で来られると、日本人としてはそのまま飲み込んでしまうにはちょっとイガイガしてしまう。
話のテンポは良いし、あのすごい映像なので、3時間以上という上映時間にさほどストレスはない。
ただ、繰返しや重複する演出が多いので、後半はダレてくる。
「そっちも?」「また?」「さっき同じようなことあったよね?」って。
あと、固有名詞が冒頭からかなりたくさん出てくる。覚えておくべきなのは後からまた出てくるので、ここで全部を憶える必要はないんだけど、始まったこの映像を堪能してると頭に入ってこない。
悪口ばかり出てきてしまったが、本当に映像作品としては抜群のクオリティだし、観ておく価値は高い。2Dでなら観る意味は半減以下。
是非今劇場で観賞頂きたい。