「海大好きキャメロン節全開!」アバター ウェイ・オブ・ウォーター 屠殺100%さんの映画レビュー(感想・評価)
海大好きキャメロン節全開!
キャメロンは、海を舞台にした映画ばかり。海大好き人間。デビュー作が『殺人魚フライングキラー』というのがそれを表明している。『アビス』は深海マニアぶりを存分に発揮した映画だし、異星が舞台の『エイリアン2』だって水中からエイリアンが出てくる。エイリアンが泳げることを世界に示したのは『エイリアン4』ではなかった。そして、恋愛映画でありながら、『タイタニック』は海パニック映画でもある。
ついに海を舞台に自作のオリジナルキャラ・世界である、『アバター』を使って壮大な海バトルが展開されるとなればキャメロン節が全開すること確定。
とにかくラッセンの絵のような、海きれい、海すごい映像すごい。海愛(うみあい)に溢れている。海の美しさをとことん描きたい訳なので、生き物はいいやつばかり。凶悪な生き物はあまり出てこない。1匹だけ悪いやつが出てきたが、それっきり。
人間はとにかく醜く描かれる。海の生物たちやナヴィたちはただ純粋無邪気に生活したいだけなのに、それを破壊する醜い生き物。
『エイリアン2』だって人間が勝手に異性で鉱物資源を取りに来たから悪いのであって。エイリアンたちは自分たちを生活を人間から守ろうとしただけである。
海きれい。自然大好き。人間悪い(特に文明社会に生きる人間。インディアンは別だと思う)というインディアンの喋り方のように単純で純粋な価値観の世界がより鮮明に打ち出された。幸せはとてもシンプルだ!と主人公がいうように。
というよりもキャメロンはそもそもそうした価値観や論理的な物語の展開に興味がないと思う。とにかく映像で勝負したい人。ひたすら凄い映像を観てもらい観客をトリップさせたいモチベーションの人。すごくてきれいな映像の数々にただ感動させられる映画としては最高のものであることは間違いない。
エグくてグロく自然が崩壊した荒廃世界は、『ターミネーター』の世界。綺麗な自然が溢れる純粋な世界として、その裏返しが『アバター』の世界。2つの陰陽がくっきりしたオリジナルワールドを生み出し、歴代世界興行収入を更新し続けてきた天才クリエイター、キャメロンの復活を再びみることができて本当に嬉しい限りです。
まさしくフライングキラーでしたね!トビウオ大好きみたいです。ジェイクを殺しに敵がわんさかやってきたという、シンプルな話でした。何であんな大群で?とは思いますが。
キャメロンは映像至上のご意見に強く同意しました!トビウオだかバラクーダだかフライングキラーだかが鰭?を広げて滑空する所が、一番面白かった。脚本の弱さはこの尺では無理ないと思いました。