「圧倒的な映像美を堪能できるが、ストーリーもスケールも前作には及ばない」アバター ウェイ・オブ・ウォーター tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
圧倒的な映像美を堪能できるが、ストーリーもスケールも前作には及ばない
水の中の人の顔は、ロウ人形のようにのっぺりして見えるが、それをCGで完璧に表現していることに驚かされる。あたかも、実在する登場人物を水中で撮影しているかのように感じられるのである。
海中の生き物たちの美しさも目を見張るばかりで、この映像だけで、十分に観る価値があるだろう。
その一方で、ストーリーは平板で単調と言わざるを得ず、特に、中盤の海の部族の日常を描くパートは、丁度、映像の美しさに慣れてくる頃でもあり、中だるみした印象が拭えない。この辺りで、上映時間を30分くらいは短縮できたのではないだろうか?
肝心の「家族の物語」も、これといって心に響くものがなく、逆に、長男をあのようにする必要はあったのかと疑問に思ってしまった。
スケールの面でも、前作は、侵略に対する防衛を描いた惑星規模の戦争映画であったが、本作は、個人的な恨みを晴らすために主人公たちを付け狙うストーカーを撃退するだけで、随分こじんまりとした話になってしまっている。何と言っても、今回戦う相手は、軍隊ではなく「捕鯨船」なのである。
そもそも、私怨で行動しているとしか思えないクオリッチの行動が、なぜ組織の中で許されるのか?一方の先住民も、ジェイクと一緒だと勇敢に戦うのに、なぜ自分たちだけで地球人を撃退しようとしないのか?そこのところが今一つよく分からない。
その他にも、パンドラの生態系を含めて、まだまだ分からないことが多いのだが、どうやら、養子のキリとクオリッチの息子が今後の鍵を握っていきそうなので、とりあえず、次回作を楽しみにしようと思う。
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