「骨太のヤクザ映画」ピーターラビット 底辺さんの映画レビュー(感想・評価)
骨太のヤクザ映画
ピーターたちとマクレガーおじさんを対立しあう地場のヤクザ、トーマスを外部の勢力、ビアを警察権力だと考えるとあら不思議、ヤクザ映画のプロットにピッタリハマる。
マクレガーおじさんの急死に伴い生まれた権力の空白地帯に勢力を伸ばそうとする畜生組にマクレガーおじさんの跡目を継ぐと称して自分の利益のために介入してきたトーマスこと玩具組との抗争、しかしどちらにも無遠慮に突っ込んでくる警察権力ビアの前では互いに派手な抗争はできない。しかし水面下の小競り合いは全面戦争に発展し、ついにビアにも被害が発生。抗争状態にあることが発覚し更に自分にも被害が発生して怒り狂う警察の手前双方犠牲者が出る前にひとまず全面戦争は終結し渋々双方は手打ちをするも、ピーターがダイナマイトをトーマスに差し出すあたり互いに隙を見て相手を潰そうとは考えている冷戦状態に突入したのであった……
完全にヤクザ映画ですねこれ。おかしいな、孤狼の血を見に来たわけでも仁義なき戦いを観に来たわけでもないんだが。
ブラックジョークもキレッキレで、特にブラックベリーについてピーターが口先だけはアレルギーの人に配慮のようなことを言ってはいるもののトーマスの口にブラックベリー突っ込んでマジで殺しかけるシーン。
口先だけでは配慮を口にするものの実際にはアレルギーをかけらも理解してないし理解する気もないっていう自称「弱者の味方」感といいどうにか薬で息を吹き返したトーマスを「生き返った」とか表現するあたり兎畜生は所詮畜生であるって感じで最高にブラックジョークが効いてて大好きです。その後アレルギー関連の団体から抗議を受けて公式が謝罪してるところまで含めてすべてがハマるべき場所に嵌まり込んだ最高のブラックジョークとしか思えない。
結論、千葉繁は癒やし。