詩人の恋のレビュー・感想・評価
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LGBTのではない同性への恋慕と言えばいいのか?
男性が男性に友情以上の好意をもってしまった。でも、それは性別がどうとかではなく、人として(?)生き物として(?)惹かれてしまった。惹かれてしまった相手が同性だった。ただそれだけのことだけど、それを世の中では、ゲイだの、ホモだの、同性愛者だの言われ他人から蔑まされる。友達じゃない、親子でもない、恋なのか?恋とも違う気がする。そもそも、何かのカテゴリーに分けなきゃいけないのか、ただ一緒にいたいだけ、離れたくないだけだ。
ある意味ピュア中のピュアな関係なんだと感じました、切ない。
静かで穏やかだからこその切なさ
韓国の済州島で暮らす詩人がドーナツショップで働く少年に恋するという話。
序盤で詩人の妻とのやりとりが描かれるがこれがいい。尻に敷かれているようでいて、友達のようにふざけ合えることができる。
でも少年に恋してしまう。もちろんそんな気持ちはひた隠しにする。と思っていたら親友には正直に告白したり、そのことが妻に筒抜けだったり。ちょっと変わった雰囲気を醸し出していた。
舞台が島というのも1つのポイントかもしれない。セクシャルマイノリティへの無理解、ジェンダーの役割の押しつけ、そして閉塞感。
終始穏やかで静かな時が流れる中、後半の詩人が感情を爆発させるシーンが印象的だ。あれがあるから最後に流す涙の切なさが際立つ。個人的にはこういう穏やかな雰囲気の映画は得意ではないが、切なさは十分伝わってきた。こういうのが好きな人が観たらたまらないんだろうなと思った。
誰にも感情移入できない
これはストーリーのせいではなく、演技のせいでもないと思う。
詩人は自己中で、勝手に恋している。
詩人の妻、この映画に出てくる他の女性もあまり荒々しく赤裸々なだけで、何かを引き立てているように思えてしまう。
セユンも彼自身の気持ちは恋愛ではない、生き方だと思うけど、最後の成り行きは??
モヤモヤが止まらない。
イクチュンのやさしさとやわさに魅入られた。
ポエムおじさんのひとときの恋。この奥さんがかっこいい。奥さん、全然悪くない。海がいい。埠頭の近くのドーナツ屋というファンタジー空間が寓話的で素晴らしい。むかしむかしあるところに一人の詩人が住んでいました...とはじまると絵本にしてくれてもいいんじゃないかと思いました。
非常にゆっくりストーリーが進むが綺麗にエンディングを迎える
生活能力のない詩人は、夢見がちで詩は美しいが美しかない。現実に向き合い家計を担っている妻は家族として夫婦だけでなく子供が欲しい。妻との妊活に乗り気ではない詩人は若者に恋をする。夫婦の関係の話から詩人が若者にのめり込んでいくにつれ、若者を巻き込みプラトニックな三角関係になっていく。
本作は中年男性が若者に恋をする、というだけの話ではなく、詩人には生活を支えてくれている妻がいて、一筋縄ではないダイナミックを作っている。稼ぎのない詩人が男であること以外、メインの登場人物である三人が性のステレオタイプから解放されていて、詩人が青年に恋をするのもその一環の流れという印象を受けた。
選択は正しかったのかと(;^ω^)
既婚ノンケで子供が生まれるって時に恋愛したから別れますは共感しあえないw
父子愛に近いものの様に感じました。
彼も若い段階で同性愛では無いし、詩人の恋で終わらせて正解です。
優しい気持ちになる映画
ヤン・イクチュンさんを前回スクリーンでみたのが〝あゝ、荒野〟だったのでプロの体型改造に拍手を送りたい。
本作ではポッコリお腹のイクチュンさんが見られる。
そんなイクチュンさんも可愛い。
奥さんに生活を支えられながら詩を書いている詩人テッキ。
ドーナツをバクバク食べて創作に打ち込んでいるけれどスランプ気味。
何をするにもそうだけど…
同じことを繰り返す日々は尊いけれど新しいものを創り出すには刺激が必要かもしれない。
奥さんは妊活を望み、テッキは全てを捨てても構わないくらいの恋をした。
恋をすると誰もが詩人である…という言葉の通りテッキは詩の世界を広げていく。
そんなテッキが恋したのはドーナツ屋でバイトする美しい青年セユン。
テッキにはない若さと美しさへの憧憬にも似た想いなのかもしれない。
家庭に恵まれないセユンをなんとか幸せにしたいという強い想いが伝わってくる。
悪ぶっているセユンも実は思いやりがあって優しい。同性同志の恋愛というより大切にしたい人をお互いに見つけたという印象。
夫婦のあり方についても考えさせられた。
子どもを産むという妻の常套手段を使ってテッキを繋ぎ止めたガンスンだけれど…果たして夫婦って子どもを産めば勝ちなのか?
三角関係になった詩人と妻と青年がたぐり寄せていった答えはメルヘンではなく、まさに現実。
テユンの最後の涙とおでこにキスが忘れられない。
セユンのおかげで文学賞を受賞したテッキ。
テッキにおかげで大金を手にしたセユン…悲しくて切ないけれどハッピーエンド。
一緒に暮らすだけが幸せではない。
2人の結末もハッピーエンドに思えるほどに優しい気持ちになる映画。
あ、チョン・カラムくんは藤ヶ谷くんに似てる。笑笑
なんとも愛くるしい
派手さはないけどこういうの好きです。
「詩人なのに太ってる」と作文教室の子供から嘲笑されるテッキ。只今スランプ中。収入も乏しく妻ガンスンの支えがないと生活もできない。
美しいものを愛で詩を詠んで静かに暮らしたい。子供を望んでいないテッキと妊活真っ最中のガンスン。すれ違う2人。
そんな時近所にオープンしたドーナツ屋。そこのイケメン店員セユンの一言をきっかけに詩人として新しい世界の扉を開くテッキ。その日からセユンが心から離れなくなる。家庭に問題を抱えるセユン。
これは父性か。同情か。はたまた恋か。
自然に囲まれた済州島の港町。そこで生まれるいくつもの詩。不思議な三角関係。
切なくて、笑えて、ほっこりして、とても愛くるしい映画でした。テッキがもじもじしてて終始かわいい(笑)少年のようで。
それぞれの選択。テッキが選んだ場所。本当にこれが正解だったのか。ジーンときたラストシーン。でも私は嬉しかった。
ただただ
"じゃない"方が観たかった。
本編は結果どちらに転んでもハッピーエンドともバッドエンドとも取れるものになっていたかとは思いますが…
希望としてはテッキとセユンの、見守る見守られる愛を見続け、見届けたかった。何かを得ることは何かを失わないといけないなんて、分かっているけど、悲しすぎる。
結果として、二人がゲイ(バイ)かどうかであるよりも、良い意味で曖昧で、寄り添い合う愛情で繋がる二人の未来が見たかった。
ラストの涙が、もうなんともやるせなく、、切なくて悲しすぎるよ。
容赦ない愛
東京国際映画祭で見て以来、何で こんな傑作が公開されないのだろう? と思っていました。
その後 82年生れ キム・ジョン が日本でもヒットして、隣国への視点が広がった成かな
ともあれ ヤン・イクチェン の暴力的でない方の容赦ない愛 の表現が 韓国人の素顔を魅せてくれるだけでも良かったと思います。
良かったとも悪かったとも言えるああいう結末の付け方が、とても好きで...
良かったとも悪かったとも言えるああいう結末の付け方が、とても好きでした。
済州島の風景と、日常。映画が映すべきもの。
ほんとにほんのちょっとだけ、ラストに赤子のオムツを替えながらの涙だったら良かったのになって思った。
彼が選んだものと、選ばなかったもの。
どちらもきっと幸せで、どちらもきっと後悔するんだ。
ヤンイクチュンが最高にかわいい
詩人のテッキを演じる、ずんぐりむっくりなヤン•イクチュンが最高にかわいい。『息もできない』とはまったく異なる姿に驚きました。
詩人の仲間(アゴ女)から人生に真摯に向き合ってないという痛い指摘をされていたテッキが、美青年セユンとの出会いを通して人生と向き合い大人になる話。
しかし、大人になるには痛みが伴う。ラストで子どもの世話をしているテッキが流す涙は印象的でした。大人になるってつらい。
本作はイメージするいわゆるな韓国映画っぽくなく、日本映画に近い感じがしました。
『はちどり』もそうでしたが、こちらも女性の監督で新人とのことで、韓国映画に新たな世代がでてきたという感じがしました。
人が誰に恋しようが勝手ではあるけれど、、
おっさんが若い男の子に恋するのは正直、私には受け入れられない。ゲイとかレズとかトランスジェンダーとかそんなカップルでも同性愛パートナーシップ法により徐々に受け入れられる社会になりつつあります。「おっさんずラブ」のような作品も人気があったり。でも、韓国ではどうなんだろう。韓国ではいまだに社会でもその辺の性差別は日本以上で当人には耐え難い差別があるとか。Netflixドラマの「梨泰院クラス」でもトランスジェンダーを扱う作品という理由で韓国では人気は今ひとつだったと聞きます。ならばこの作品かなりの問題作だったのではないだろうか。
愛すべきぽんぽこたぬき♪の物語
詩人は言葉によって人に寄り添う
その立場を超えて相手に近づきすぎると大火傷を負います。よって主人公は妻と子のもとで、哀しみを伝えていく道を選びます。
惜しむらくは、様々な意見はあ
るでしょうが、詩人が父のように成長を見守るラストが見たかった。こんな時代だからこそ、そういう腹のくくりかたも見たかったかもしれない。
まとめてしまえば、しかし遠くチュジュ島の景色の中で展開する物語は、そこはかとなく男のこころをくすぐりましたなぁ! 笑
「誰かのために」は人を成長させる
済州島で暮らす中年の詩人が、ドーナツ屋でバイトする青年に恋をする
詩人は結婚しているにも関わらず、恋を知らず
そのためか、詩作も思うように進まない
けれど、ある青年と出会ってから、心をかき乱され、自分の人生を見つめ直すようになる
人を成長させるのは「誰かに必要とされること」であり、
また、長い人生の間に人から必要とされる機会はそんなになくて、そんな時は、どんなことがあっても、その人の手を離してはいけないものだと思った
また、詩人を主人公にしてるからか、済州島の自然の美しさをとても感じる作品だった。
主人公の詩人を演じるのは「あゝ荒野」のヤン・イクチュン
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