「ただの皿よ、誰かが使ったお古でしょ」ニューヨーク 最高の訳あり物件 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
ただの皿よ、誰かが使ったお古でしょ
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映画「ニューヨーク 最高の訳あり物件」
(マルガレーテ・フォン・トロッタ監督)から。
まずは「原題:Forget About Nick」が、どう解釈したら、
邦題「ニューヨーク 最高の訳あり物件」になったのか、
とても興味がある。(関係者しかわからないだろうけれど(笑))
2017年・第30回東京国際映画祭コンペティション部門上映作品
(映画祭上映時タイトル「さようなら、ニック」)
さて、今回の気になる一言は、文化芸術に関するメモから。
インテリアとして飾ってあった皿を、食事で使うシーン。
「これは芸術なの」とコレクションした女性が怒ると、
「ただの皿よ、誰かが使ったお古でしょ」と返した。
さらに「アートは役に立つ物というより商品だ」
「誰の言葉?」「ミッキーマウス・・」という会話が続き、
アートの定義の難しさが、コミカルに描かれていた。
さらに「文学では愛と復讐が二大テーマでしょ」と言いながら、
この作品の概要をサラッと伝えてくれた。(汗)
他にも「素晴らしい香水は交響曲のようだ。芸術作品と同じで、
香水には始まりがあり、中間があり、終わりがある」
「後妻なんて悪夢よ」「だめ、縁起が悪い。
『妻』と『夢』は同じ文章に入れないで」など、
さりげなく使われていた会話の中に、面白味が詰まっている。
私の映画鑑賞の仕方は、変わっているかもしれないが、
これも映画の楽しみ方の一つなんだよなぁ。
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