ひかりの歌のレビュー・感想・評価
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1番近い映画
いくつか日常や普通をテーマにした作品を見てきたが、間が絶妙でなんだか懐かしい感じがあり優しい気持ちになれた人間に近い作品だった。撮り方の手法から写真を見ているようだった。全てきっちりわからなくても、なんとなくでも人の優しさに触れることが出来た優しい映画でした。個人的に間が好きすぎた
誰かを思う気持ちをそっと優しくしまっておきたくなる
ちょっとわかりにくかった。連作なら連作なりにはっきりしてほしいモヤモヤは残る。でも、どこにでもいそうな人たちが、それぞれの環境で出会う人とかわす感情のふれあいを見届けるにつけ、なんだかぽわっと温かくなり、なんだかきゅっと苦しくなった。たぶん大した意味はないかもしれない。でも、そんな意味のあまりない日常こそが、人が生きるってことなんだなと思える。
最後のエピソードは、単独でみてもちょっとしみた。いいなあ、ああいう車の中で二人で歌うのって。あのとき、一緒にいなかった時間が埋められた気がした。
4人の女性たち、それぞれの人生が愛おしすぎる
4首の短歌をベースにしたということで4章構成をとるが、各々の章が「人」で繋がっており、一本の長編として成立していた。4人の女性たちの人生、その切り取られた一瞬一瞬が愛おしい。
高校の美術教師の詩織は臨時講師であり、間もなく契約が切れる。野球部の生徒に告白されるも、どうやらバイト仲間だった雪子が好きみたいだ。
ガソリンスタンドで働く今日子はひたすら走ることで何かを埋めようとしている。何か大きな罪を背負っているのかもしれない。プラネタリウムで幸子の姿を見た。
スリーピースバンドで歌う雪子はバイトを辞め、バンドも解散して一人旅に出る。亡き父が撮った写真を頼りに父が旅した土地を巡る。
写真館で働く幸子の夫は何年か前に失踪したようだが、その夫が突然帰ってきた。2人はやり直すことができるかもしれない。
淡々とした静かな語り口ながら、温かく愛おしい空気に包まれた珠玉の作品。153分という長尺には必然性があった。彼女たちが好きになった。
今年の邦画のベストの一本だろう。
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