荒野にてのレビュー・感想・評価
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Tearjerker of a Wild Western
Lean on Pete turns out to not necessarily be the horse-human bonding feature you might expect. Actually it's quite modern in the sense that the horse takes on a much more personified role--it's not downgraded to a cute creature in need of superior human care. Like Always Sometimes Rarely Never, it's the tale of the wandering kid you pass by on the street. Buscemi's presence is more than welcome.
心がリフレッシュされる新・ロードムービー
日本の社会では想像もできない少年の絶望は救われることはあるのか?
この映画を観ながら幾度となく目を閉じた。涙など滲ませる隙さえ与えてはくれない。心に突き刺さる言葉や映像に瞼を固く閉ざしたりした。
正直な話、次のシーンで爽やかな風が吹き抜けるだろうと期待に胸を膨らませても裏切られてばかり・・・・。いったいこの映画はいつどんな形でエンドマーク描き出すんだ!と叫びたくなった。しかし、観るに堪えられない。そんな流暢な状態ではない。人の不幸は蜜の味なんて言葉を投げかける奴など何処を探してもいない。
それほどなんだ。生きるということは厳しいのだ。思いやりや同情や憐れみ、そして暴力も必要なのだ。
「ふたつよいことさてないものよ」なのだ。悪いことばかりは続きはしないのだから・・・。
だからこそ日々の暮らしが良いこと、楽しいことで埋め尽くされていて、それが普通の日常などと間違っても思い込んではいけない。16歳の少年ですら希望さえ捨てきって目の前に広がる荒野を前へと歩いたのだ。これまでに体感した反吐が出るほどの出来事にどんな風に対処したかをその小さな胸に痛みを抱えながら歩き続けたのだ。
自分の不幸を嘆いてばかりで、誰かに頼ることのみを考えてばかりいては、豊かな人生は歩けないのだ。この少年の歩き続けた荒野は私の荒野でもあるのだ。
演技が評価されたのはわかる気はする
なかなか観る気になれなかった映画。馬と少年というピュア過ぎる組み合わせが敬遠してた理由。
じいさんが出てきて手伝いをはじめる、序盤のその展開で単に青臭い内向的なストーリーだけではなさそうだと安心。
と、思ったのも束の間でピートと旅をはじめるとどうもぱっとしない。独り言はちょっと。。しかしそういう映画だしボケッと観ることに。ところが突然ピートが事故。馬と少年の絆の感動話は?まあ、物語としての伏線となるわけだが、荒野なら荒野でたっぷりそれを見せてくれるわけでもなし。
少年役の演技が評価されたのはわかる気はする。少年役やってたころのディカプリオみたいな感じ。しかしそれ以外に見どころがない映画ではある。
主役の青年は何が変わったのか
全体的に材料いいけれど調理が残念という感じの映画だった。
良き親子関係でとてもいい青年だ。アルバイトで始めた競走馬の世話はまじめにやっていた。それなのに子供の浅知恵で馬を連れて逃げてしまい、馬はあっさり死んでしまう。そこから何か学ぶかと思ったが、叔母のところで刑務所に行っても帰ってきていいかと問う。
え?そこ?となってしまった。
もちろん行き場のないことは子供にとって辛いことだし、それを求めて旅してきたのだから仕方ないかもしれないが、小学生じゃないんだから、悪いことしたのはわかるし、馬を盗まれて人への償いや自分の罪への良心の呵責などもっと葛藤があった上でのこの発言なら納得できた。
映画館ではなくDVDでよかったなとちょっと思った。
抱きしめたくなる一本
素晴らしかった。
荒野とは彼が旅した軌跡でもあり、
彼の心の中でもあった。
てっきり馬に乗って旅するロードムービーかと思ったけど
そうではなかった。
ロードムービーといえば1人で旅し色んな出会いや別れを
経験すると言うのが定石かと思うが、
馬を連れて旅すると言うのが斬新だった。
では、馬は何の意味があったのかと考えると、
18歳の小さな体と小さな心でたくさんの思いを抱えて
それを吐き出せる唯一の対象だったと思う。
彼と馬の絆、馬がどれだけ安心感を与えてたかと思うと
後半は俺で良ければ一緒に歩こうか?と言いたくなるほど
切なかった。
10代なりに一生懸命考えての行動だったけど、
実に浅はかで行き当たりばったりで見てられない展開は
犬を連れて家出した自分と重なるところがあり、
とても感情移入出来た。
犯罪も重ねるけど、どん底の状況があり
アメリカ社会の現実も見る事が出来た。
少年の目にはどう映ったのだろう?
荒野を歩く、引きの綺麗なショットとだだっ広い荒野は
彼の美しい魂と虚しさを見てるようでもあった。
素晴らしいロードムービーだった。
静かで悲しいイニシエーションストーリー
アンドリュー・ヘイ「荒野にて」を観る。本作では、孤独な少年を演じた...
あれで悪い大人にならずにいられるのか?
生きる事を荒野にたとえ
ちょくちょく叩き起こされます。
少年の世界に向けたまなざし
鑑賞後既に1日経っているが、私の心はまだ荒野にある。
エンドロールが終わっても、衝撃で動けない。こんなになるのは久しぶりだった。
誰にも会わずに家に帰って、誰もいない部屋でワンワン泣きたかった。
2人で暮らしていた父を突然失った少年チャーリーが競走馬としての寿命を迎えたピートと共に、彼の知り得る唯一の肉親である伯母のもとへ旅をする。
作品のあらすじはそのように説明されるが、いわゆるロードムービーとも、少年と馬の友情、少年の成長を描いた作品とも括り難い。
チャーリーの境遇は過酷で、父を失った後も運命は残酷なまでに彼を絶望の淵へ落としてしまう。旅の途中では出会いもあるし、いわゆる「バッドエンド」と言われるような結末は迎えない。しかし、世界は残酷だけど意外にも優しさと愛に満ちているとまとめてしまうのもまた、もったいない。
チャーリーが他者から受ける恩恵と愛を描いていたというより、絶望の淵に落とされても世界を憎みきることはできず、自らも罪を背負い、泉のように愛は湧き出る、そのような優しい世界が描かれていたと思う。
貧困の極限状態にまで至ったチャーリーは軽犯罪を繰り返し、遂には暴力に頼ってしまうが、混乱状態のなか悪態を尽きながらも「ごめん」と言い残す。
全てが落ち着いた頃には、自ら罰を受ける意思が見られるような台詞がある。
自分を捨てた母、ピートに殺処分を言い渡すデル。チャーリーの口から2人を責める言葉は出てこない。「母さんは僕を愛していたと、父さんは言ってたよ。」
やっと自分の居場所にたどり着けたチャーリーがこれまで堪えていた涙をこぼすのは、自己憐憫のためではなく、自分が守れなかった、失ってしまったもののためである。
最後のカット。未熟で純粋な少年が世界に向けるまなざしは、不安に揺れながら穏やかで、優しい。
〜〜〜
ちなみに思ってた5倍くらいしんどかった。
いちばんしんどみが凄かったのは、「どこから来たんだ?」と警官に聞かれたチャーリーが、虚無の顔でこれまでに転々と暮らしてきた土地の名を、つらつらと順に述べるシーン。
彼の居場所のなさを突きつけられて、すごくショックだった。
チャーリーくん(役者さんもチャーリーくん!)、ほんとうに優しい良い子…強く強く抱きしめてあげたい。
荒野にて
叔母を訪ねて三千里みたいな映画❗
Search for Hope
Lean on Pete
荒野にて
アンドリュー・ヘイ監督
父親は息子チャーリー16歳、に対する愛はあるが、自己満足の愛であり、本当のチャーリーの気持ちを理解してあげていない。父親の死後、叔母を探しにオレゴン州ポートランドからコロラド州のデンバーを抜けてワイオミング州のララミーまで、旅を続けてやっと叔母を探しあてる。
ここで、チャーリーが競走馬ピートと荒野を歩きながら会話するシーンが一番好きだった。誰にも自分を出せなかったが、ここで、はじめて自分をさらけ出しているのが、かわいそうに思えた
デンバーの街中で仕事を探しているシーンも、ドラッグやアルコールに手を染めるわけでなく、望みをなくさず前に進む素晴らしかった。やっと、ララミーの図書館について、おばさんのうちに案内されるんだが、ここで受け入れられてもらえるのか半信半疑の戸惑いが手に取るようにわかった。彼の言葉で、高校に通いたい。そして、フットボールができるか叔母に確認するシーンでは思わず、嗚咽してしまった。ポートランドでは高校に通うことができない上、その前に住んでいたワシントン州のスポケンではフットボールの選手だったが、引越しによって中断されてしまったから。
こういう作品は全世界に共通する問題なので、愛を見つけ出すことができて、今までの苦労が報われたね。
社会の荒野
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