「傑作じゃなかろうか?」荒野にて トミジュンさんの映画レビュー(感想・評価)
傑作じゃなかろうか?
ネトフリで配信始まったのでもう一度観てみた
評価は全然変わらなかったな
この作品随所、随所に良い所が光っている
まずは映像、競馬場などの光景や中盤の自然の中のシーンなど
映像がとても美しく撮れている
競馬のシーン、馬と一緒に歩むシーンなどいいシーンがたくさんある
次にキャスト、主人公を演じたチャーリー・プラマーや
馬主(?)のスティーブ・ブシェミの演技は良かったし
それ以外のキャストもそつなく物語を支えている感じがした
そして何と言っても物語、
個人的に馬好きなので自分の判断は甘いとは思いつつも
馬と関係性を作る事の楽しさを表現してたり
レースに勝つ喜びを表現しながらも
反面、レースに負けたら後がない競走馬の命が抱えてる問題をちゃんと提起している所に
共感を覚える
また、不倫してる父親が自業自得というか、不倫された男の怨恨を買って暴力を受けたり
家族(父親)の為に子供が家計を支えなければならなくなったり
家族を失った主人公がメキシコ行き(おそらく屠殺)が決まった
リーン・オン・ピートの境遇に共感し逃避行を図ったり(まるで家出である)
ちょっとしたシーンの父親を呼ぶ遊んでる子供の声などで
主人公の父親のいない存在の孤独感を表したり
貧しい者同士がわずかなお金を巡って殺伐とした争いを繰り広げたり
社会や個人が抱える問題を深く問題提起して表現していると思った
あと最近の映画において
音楽は非常に重要な役割を成す訳だけど
この作品は音楽を使わず環境音のみで観せリアルさを感じさせてくれる
最後エンドロールで音楽が流れるまで無音の緊張感が持続してて良かった
思い返してみたら
文句を付けるところが見当たらない作品だった
他の人の評価はわからないが俺的な傑作となりました
ちなみにこの監督さんまだあまり映画撮ってないのが驚きだが
他の作品も観てみたくなったな