スリー・ビルボードのレビュー・感想・評価
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超個人的「アカデミー賞最有力候補」
【映画「スリービルボード」感想】
実は、先日の「デトロイト」を観に行った時に予告を観ただけで、よく知らなかった作品だったんですけど。。
なんとな~く・・予告が響いてはいたんですね。
いろいろ検索をしてみると、
「第74回ベネチア国際映画祭で脚本賞、同年のトロント国際映画祭でも最高賞にあたる観客賞を受賞」って書いてるので結構な作品じゃん♪
って思って・・よく考えると映画の日じゃ~ん♪
そこで、上映もされてたので観に行ったんですけど
初日だったみたいですね♪
とはいえ・・平日だしレイトショーだしで、そんなにお客さんはいませんでした。
まぁ、他にも「ジオストーム」とか「ザ・リング リバース」とか「祈りの幕が下りる時」とか話題作多いですもんね
多分、この映画が注目を集めるのは3月のアカデミー賞授賞式かもですね
今年のアカデミー賞は粒ぞろいかも
個人的には「デトロイト」「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」「スリービルボード」って感じだと思ってるんですけど。。
どうでしょ~
さて・・映画のだいたいのあらすじとしては
レイプ殺人で亡くなった娘の捜査が一向に進まない警察署にイライラして業を煮やした母親でありシングルマザーのミルドレッドは街の外れにある3枚の看板(スリービルボード)に警察へのバッシングの広告を出すことに!!
TV局も取材にきたりして・・
小さな田舎町なので、瞬く間に街全体を巻き込むほどの社会問題になっていき・・
といったプロローグなんですけど。。
登場人物が、もぉ、どいつもこいつも・・人間臭くて
悪態をつきながらも「いい奴」ばっかりなんですよぉ~
「怒りは怒りを呼ぶ」といった構造を下地に置きながらも
「あぁ~もぉ、しょうがねぇなぁ~赦してやるよ」みたいなのもあったりして。。
そのさじ加減が、もぉ、絶妙すぎて!!
淡々と話は進むし、悲劇的な内容なのに、どこか可笑しくて
ほろりとさせられる。
あと、全体を包むカントリーミュージックがいい感じだし
「デトロイト」が結構、強烈な映画だったから・・
いい感じで和みました♪
ほんと・・レイプ殺人って書いてるけど
特に、レイプ殺人のシーンが出てくるとかもなくて・・
「ファーゴ」みたいな感じっていうのかなぁ~
緻密な脚本と監督の手腕と、役者の凄さが・・
いい感じでMIXされた。。まさに、傑作だと思いました。
とはいえ、映画好きの方が好きそうな映画かも♪
普段、「アベンジャーズ」とか「トランスフォーマー」とか「ワイルドスピード」しかみないような人には、どうだろう・・
昔の映画だけど「アメリカンビューティー」とか「ファーゴ」とか「リトル・ミス・サンシャイン」とか好きな人なら、きっと好きになる映画かも♪
感情を荒々しく揺さぶられる作品
言葉には収まりきらないほどの感情の暴力でまさにポスターの売り文句どおり魂が揺さぶられる作品でした。
序盤のカントリー音楽でちょっと退屈しちゃうのかなと思いきや、広告店での場面でミルドレッドの皮肉めいた話口によって惹きこまれていき、説明口調にならずに現状をわからせる見せ方でした。
今回の主軸となる警察に問いかける広告は、普段刑事ドラマを見ている自分としてはドラマ内の被害者の警察への反感にムッとしちゃうのですが(主人公の刑事たちに入れ込んでしまうため)、でも実際は被害者は頼るものは警察しかいなく自分の力では犯人の手がかりさえ掴めないもどかしさ、なのに頼るしかない警察は何もしてくれない憤りなどがあり、それを丁寧に荒々しく描かれて2Dなのに圧倒されてしまいました。
しかし主人公の気持ちを汲み取りつつも警察側の描写の丁寧さも忘れず、署長の一生懸命さは周りから尊敬されることが納得いき、責められつつも証拠もなく何も出来ずにいるところは見てて辛いものでした。そしてそんな両者の感情の渦に飲み込まれるようでした。
署長が自殺してしまった時は「え、なんで、、、署長がいたからまだストッパーとしてディクソンに注意で
きたのに、いなくなったら悪化するよ…」と思っていたのですが、彼の死によって広告維持、ディクソンの改心、署内の改善繋がり個人的にはとてもショックだったのですが、これが大きな転換となり終焉に向かって行くために必要だったのかなと思います。
終盤は犯人ではないけどレイプ犯を殺しに行く道中で終わりますが、若しかしたら半端な終りで好きじゃない人もいるかもしれない。でも私は良い終わり方だと思うし、特に最後にかかる穏やかなカントリー音楽、あれが場面に色を添えてて好きでした。たまにアクションやミステリー系にあるハッピーエンドとは言えない終わり方に向かってるのに、妙に明るい音楽や優しい音色がBGMになるラストシーンが好きで、これから殺しに行くというに似合わない穏やかな音楽が、まさに感情のぶつかり合いをしていた両者が今の場面では憑き物が取れたように落ち着いてる。殺人をして捕まるかもしれない、家族に迷惑がかかるかもしれない、そんな不安を感じさせない、そして二人の行方を考えさせる終わり方でした。
3枚の広告看板にすべての感情を託した女性の映画は、ただ「スリー・ビルボード」と邦題も変えず正解だと思います。それ自身が人々の思いも街の状況もすべて含んでいて物語っている。
とてもいい作品でした。
サムロックウェル凄い!
全編通してアメリカならではの暴力肯定を、否めない感はあるものの、上出来な作品。サム ロックウェル最高の演技!それぞれの役者が、引き締まった演技を披露している。フランシス マクドーマンドが、共演者達に与えた影響から引き出された演技なのかなぁと、思えた。ウッディ ハレルソン演ずる署長の手紙を読んで、ディクソンが変化する様、ミルドレッドに犯人を見つけたと話す場面は、泣けた。涙あり、笑いあり、緊張感が度々音楽に救われる場面もありで、上質な作品に仕上がっていた。
みんな不器用なものだから
観てる方は、広告が犯人探しにどう影響するのか、みたいな展開を予想していただけに、見事に裏切られた脚本だった。
娘を殺されて、被害者であるミルドレッドが3枚の広告をデカデカと置くのだが、怒りのあまり過激な行動に出ることで快く思わない人も少なくない。そんな状況が彼女を正当性みたいなものを揺らがす。また、彼女の敵である署長にも、警察であると同時に強烈なほど差別主義で暴力に訴えるディクソンにも時折見せる人間的な弱さがある。町にいる誰がどう思ってるのかさえわからない中で、だんだんと明らかになる彼らの人間らしさが作品の質を際立たせていた。
ストーリーが良かった上に、俳優陣が手放しでの賞賛に値したと思う。フランシス・マクドーマンドはもちろんウディ・ハレルソンとサム・ロックウェルの演技が素晴らしかった。
現代のアメリカの負の部分を見せながら、作品として完成していた完璧に近い一本。
物足りなかった!!
看板の設置で少しずつ味方を増やすさまをゆっくりと描いているので、物語の結末じたいは分からず物足りませんでした。殆どの登場人物の口が悪く、会話内容等も署長の遺書以外は印象に残りませんでした。元夫の若い恋人設定はいちいち不快で、必要だったのでしょうか。警察署に火炎瓶を憎しみを込めてドカンドカン投げ込むシーンを、映画館で観る事ができたのは良かったですが、悪を糾弾したいのに主人公は何でもアリのお咎め無しで、いくら人々を揺り動かしてもポスターにある「魂が震える」どころか共感できませんでした。二人の署長が容疑者を隠蔽したのがわかりづらく、バーの男が隠蔽されるに相応の人物だとは思えませんでした。少しサイレントヒルっぽい雰囲気は好きです。
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