スリー・ビルボードのレビュー・感想・評価
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賛否両論な結末じゃないですか
考えさせられるストーリーではありますが。
何を考えるかの幅が広いかもしれませんね。
でも、人は自分が思っているのとは、違う思考をしているんだ、ということをことごとく思い知らされる作品です。
死んでからじゃ遅い。
環境も発想も全く異なる人達を繋ぐ共通点は、同じ事件を目の当たりにしたこと。残酷な直接表現は無くとも伝わる過去への執着。それぞれの目線で描かれる事件との向き合い方への変化が静かながらに心を動かされました。
そしてもう一つあった。家族への愛情を決して欠かさないこと。
被害者家族の心の叫びが、映像化された作品
この時期、各映画賞でピックアップされる作品は、最新技術を駆使した超大作でもなくこんな作品ってのは、毎年恒例ですね。
恨みが恨みを呼び誰も救われない末路、最後のシーンの行き着く先は・・・
自分に反抗しまくってた娘が、親子喧嘩の後に何者かにレイプされ焼き殺される。
人種差別が根底にある社会では、警察もアテにならないと感じた母親の行動が、事件の解決に結びつと思いきや・・・恨みつらみ連鎖が止まらない。
まぁあそこまで、不審な行動しながら拘束されないのが、映画って感じはしますが、映画だから事件が解決するとは限らない〜^^;;;
こんな事件の被害者家族は、泣き寝入りするしかないのが現実ですが・・・
母親を中心に巻き込まれとばっちりを食う面々の人間描写に、翻弄される作品でした。
鑑賞者が想像する結末にもハッピーエンドはない事は、察しのつくラストに未来も何もない。。。☆4
評価は高いようですが・・・
なんだかなぁ~という印象。
ひと言で表すならイギリス人の監督がアメリカの片田舎を舞台に撮った映画。
で、これを見た米国以外の映画好きの自称知的インテリ層が「やっぱ、アメリカ人ってバカだよねぇ~」と薄ら笑いを浮かべているような、意地の悪さを感じます。
みにいってよかった
公開される前から色々な映画サイトで高評価で期待していた作品。
公開日の朝イチで鑑賞
期待を裏切らないとてもいい作品でした
メイン3人それぞれのストーリーが三位一体になり、一つのストーリーに
とてもできた脚本でした
本当に見に行ってよかった。
内容は決して明るくはありませんが、もう一度鑑賞したいと思えるようなとてもいい映画でした
不機嫌な人々
娘を殺された主人公が、犯人を検挙できない警察を糾弾する3枚の看板広告を出したことで、彼女と警察の泥仕合が一気に始まります。この争いが本当に際限無くて、仕掛ける方も、仕返しする方も、法律などガン無視なレベル。一見平和なアメリカの田舎町が作品の舞台ですが、こんなことが日常茶飯で起こっているとは到底信じられません。しかし、ストレスを溜め込んだ現代社会では些細な事でも一触即発の事態の引き金になりかねないのは事実。観終わってみれば、あの展開は何だったのかとも思えてしまいますが、案外アメリカ人の本性見たりかも知れません。
ダメダメな母親たち
これ、映画というよりも、舞台劇のような脚本?
さりげないようで、なかなか不自然な成り行きでもある。
成立しているのは、役者の上手さーーーというより存在感そのもの故?
マクドーマンド演じる母親は、19歳の娘が地元の路上でレイプされ焼き殺される、というこの世の悪夢の中にいる。
ただ、彼女自身も過剰に暴力的な女性。
良い母親だったか?というとそこも疑問。。。
母親がもうひとり、ひどい人種差別主義者の警官ディクソンの母。
これもダメ親で、ディクソンのダメっぷりはこの母親の影響が強い。
典型的な 母子癒着。
このディクソンと マクドーマンドが のっけから対立しているーーというか憎悪の応酬がえげつない。
だが、もうひとりの際立った存在 署長のハレルソンが 唯一「立派な父親」的機能を果たし憎悪が解ける緒となっていく。。
あ、ハレルソンの後任署長も立派な方だなぁ ....
広告会社のレッドくんや、小人症のジェイムスも、小市民なりの小さな正義で ダメダメなマクドーマンドとディクソンをささやかながら支えるんだよね。
マクドーマンドはFargo でもオスカーもらってることもあって、なるほどフムフムな演技なんだけれど、ダメ警官ディクソンはインパクト強かった。
最初に運転しながらmow! mow! って叫びまくるカンジ悪さったらない。暴力的差別主義者であることが端的に表現されてる。
この人、20年前くらいの D・バリモア、C・ディアス、L・リゥの チャーリーズ・エンジェルスの敵役に似てるなぁ ... と思ったら、その通りだった。
サム・ロックウェル!
すっかりおじさんになってて、体重もだいぶ増やしたか?あのイヤ〜なカンジの出し方は磨きがかかってたなぁ。
最後まとめていくくだりは、安易な気もするけれど、まぁ気持ちはわかる。
痛みを分かち合い、心から共感してくれる人がいること。
傷を癒すのは復讐ではなく ......
冒頭の庭の千草 は Renne Flemming
これが母性溢れる歌唱。象徴的。
映像とセリフによる表現方法の可能性
よくよく振り返ると登場人物は限られている。その割に表現に多様性があるのは、脚本がよくできているからかもしれない。
ストーリー展開がすごいという前評判を意識していたが、ストーリー展開を重視しているというよりも、映像とその切り替え、セリフ展開、会話の展開を重視しているという印象を受けた。そういう意味で、この映画は、巷でいわれるほどのストーリー映画ではなく、むしろいまのアメリカ社会の問題に対して人間の内面の側面から踏み込もうとした映画であり、また一つの新しい表現の形なんだと思う。
心が揺さぶられるというのではなく、心に打撃を与える種類の映画。
この映画の感想はとても難しい。批評はできても、感想となると難しい。
しいていえば、良い映画。多くの感想が浮かばない。そうなるのは、この映画が、社会性という論点を言葉やフォーマットではなく、心・感性で表現しようとしているからなんだろう。
こういうふうに論点を飲み込んで、こういうふうに映像とセリフで表現していくスタイルの映画はそうそうあるもんじゃないような。
この監督のこれからの映画づくりが楽しみだ。
母の思いが胸に刺さる
娘を殺された母ミルドレッドが3枚の看板をたてることにより
起こる様々な人間模様を描いている
レイプされ燃やされ殺される娘 犯人はつかまらない
母親はどんな思いで日々を暮さねばならぬのか
私も子を持つ親としてミルドレッドの気持ちが痛いほどわかり
観ていてとてもつらくて涙が出た
今回はミルドレッドの他、警察署長やその部下など
様々な人間模様が描かれている
普通多くの人間を描いた作品は内容がぶれて 観ているものが
どの人物を観たらいいかわからずつまらない作品が多い
しかしこの映画違った
多くの人物を描いていても 全ての人物に感情移入が出来た
脚本の力なのかなと私は思った
所長役のウッディ・ハレルソンはかなり前になるが
ナチュラル・ボーンキラーで恐ろしい殺人者を演じていて
そのインパクトがかなり強かったが
今回は家族を愛するやさしい警察署長の役を演じている
180度違う演技だが これはこれで はまり役だと思った
さすが役者!!
この作品は色々と起こる出来事を淡々と描いている感じだ
願いより努力と言うセリフが出てくるのだが
人はどんなことがおきようと それに立ち向かう
努力が必要ということか
殺したり 憎んだり 破壊したりせずして・・・
映画版チェス
派手な演出は全くないが、最初から最後まで全く先が見えないストーリー展開で心を落ち着かせる暇がない。
淡々と進むのに10分後には同じ景色が違って見える。怒りに怒りが被さり、救い用のない話だが、最後の最後にやっと心が落ち着く。観てる者も主人公も。
(追記)
劇中に署長の手紙の中で、今起きてる事をチェスに例えてる場面がありましたが、まさにそれぞれの役柄がしでかす行動の一つ一つによって展開や局面がガラリと変わるこのストーリーは映画版のチェスだと思った。
罪を憎んで人を憎まず
傷つけあいつつも、やさしさをもらい、人は人と関わらずして生きていくのは難しいと改めて感じさせられました。
自分が苦境に立たされても卑屈にならず、少し人間を好きになってみれば、好転の兆しがみえたり。
署長の手紙をきっかけに悪循環から徐々に転換し、ホッとさせられるようなラストにたどり着けたと思います。
自分の生活も少し振りかえることもできました。
どういう結末が待っているのかと思ったら、何も解決して無いけどじんわ...
どういう結末が待っているのかと思ったら、何も解決して無いけどじんわりした余韻が残る素晴らしいラストでした。
万人受けはしないけど良い映画を観たと満足出来ました。
テーマはすれ違いと赦し?
人種差別あり、暴力警官あり、恩を仇で返すようなところも。。
単純に復讐に燃えている母親像ではなく、私には自分が抱えている後悔の念を、他に怒りをぶつけることで必死にごまかそうとしているようにも見えました。
警察や周囲の人間や街を巻き込みながら崩壊していく様が続くのかと思いきや、数少ない良心である署長が。。
物事は何も解決していないのに、意外にも心地よさを感じさせるのは、そこに赦しがあったからじゃないでしょうか?
派手さはないですが、良い映画でした。
2回目の鑑賞でも間違えなくこの点数が付いた。
それくらい素晴らしい人間劇。
登場人物だれもに感情移入できるし、でもストーリーにも衝撃を受けていくという映画として最高のバランスで時が流れていく、それも美しい音楽とともに。
今回はブルーレイ版で、特典映像も共に観れたけれど、メイキングもよかった。
特に出演者たちが意志をもったうえでさらに、マーティンマクドナーの意図も汲んでいるのが、素晴らしい。映画つくるのに最高の環境だったんだろうと思う。
しかも脚本が本当に精巧にできていて出演者はアドリブを全く入れてないってのも凄くて、それでいてあの自然体、あのリアリティ。信頼関係の成せる技というやつですな。
あのワンカットシーンの舞台裏も見れるので、ブルーレイ版は本当におすすめ!
未公開映像も、どのシーンも意味があって、重要なシーンだったように思えた。もっと各キャラの人格を掘り下げるようなね。
ショートフィルムの「SIX SHOOTER」もあの短時間でここまで響くってなかなか無いなと。まあまあの刺激的作品。考えることも辞めたくなるような。
でも本作にしても”考えることも辞めたくなるようなこと”がだれかにとっては、生きがいレベルで本当に重要だったりして、それがその人の正義とかモラルに繋がってくるんだよなあ。
もうフランシスマクド―マンドもサムロックウェルもあっぱれ。
続きを想像するのも面白い、深くて深くて広大な自然だけが、逃げ場のような作品だった。
音楽の選曲が最高
冒頭はアイルランド民謡『庭の千草』として親しまれている「夏の名残のばら(The Last Rose of Summer)」。歌っていたのは、超人気オペラ歌手のルネ・フレミングだったらしい。なんとなく賛美歌をイメージしていたら・・・。エッ、そういう展開?古びた野立て看板を見た女主人公が、アイディアを思い付いた瞬間に音楽が!マカロニウエスタン?
主要な登場人物には、それぞれテーマ曲のような挿入歌が用意されていて、まあ上手くはまっていること。驚くばかりです。
本当にひっくり返りそうになったのは、『ABBA - Chiquitita(チキチータ)』。お前がこれ聴くか!?という使い方で意表を突きます。映画全体がこんな感じでした。
主人公の心の動きが、音楽で見事に表現されていました。これは映画ならではだと思いました。大自然の中で流れるギターの音色。出口の見えない物語の唯一の救いだったかも。
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