スリー・ビルボードのレビュー・感想・評価
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圧巻の人物描写
流石の本家アカデミー賞ノミネート作品だった。
娘を殺された母親が3つの巨大な看板を出すことで静かな田舎町で巻き起こる人々の様々なドラマ。その複雑な人間関係の人物描写がほんとに素晴らしいですね。
主人公の母親と息子、警察署の人々、別れた旦那、その他の人々が静かな物語のうねりに密やかに飲み込まれていく様、その見事さは圧巻だった。
フランシスマクドーマンドの感情を昂ぶらせない芝居でビンビンと伝わってくるその芝居の素晴らしさ。
ファーゴ以来久しぶりに観た気がするのだけど、名女優さんなのに映画あんまり出てないのかな?それとも日本に彼女の作品がこないだけ?
重く、深く、じわじわと心に染み渡る名作
CG全盛で現実とはかけ離れた境遇の主人公が冒険し空想の快感を与えるオナニー映画が作られ続ける一方で、どこにでもあるリアルを用いたほろ苦く哲学的でニヒルで静かな名作が毎年1つぐらいは生まれる。
昨年はこの映画かな。
一昨年は「マンチェスター・バイ・ザ・シー」。その前は「フレンチアルプスで起きたこと」
こういう映画こそ、本当に怖く、救いのない境遇を私たちに示し、その中での本当の救いとは何なのか?を教えてくれるものだ。
本作。地味そうだったので、退屈しないかどうか心配したが、めちゃめちゃハマった。
能力や見た目に関係なく、世の中を上手く生きる事ができない人はいる。そんな生きる事が苦痛でしかない人に向けた静かな癒しの映画。
登場人物達のどん底っぷりが、日常的にどこにでもありそうなリアルな(差別を受けているわけでもなく、マイノリティでもなく、障害者でもなく、人に言えない特殊能力があるわけでもなく、凄い貧困なわけでもなく、凄い過ちを過去に起こしたわけでもなく、ごく普通の人間の行き場のない)感じで、見入ってしまった。
この映画の中で、最終的に本当に心を通わせてるのは、あの3人だけなんだよね。
特に、ガンを患っていたあの署長とその奥さんの間の、全然心が通じてない感じが凄く嫌だった。怖いっすねマジで。
でもまぁ人生ってそんなもんなのかもしれない。
主人公はそんな鬱屈した境遇を遂に抜け出すことを決意する。ラストは清々しい。
こういう映画の良さがわからない人は、将来本当に救いようのない困難に直面したと思った時に、この映画を観て欲しい。きっとこの映画は、あなたに癒しと勇気を与えてくれるはずだ。
「褒めないとバカにされる」雰囲気
これぞアメリカ映画
なんと言ったらいいのか…
滑らかな脚本にほれぼれ
何度観ても後を引く
人間くさい魅力が凝縮の一本。
俳優たちの名演に彩られ
珠玉の脚本が輝いている。
あと一度くらいは劇場へ足を運びたい。
脚本賞もいけると思ったんだけどな
おめでとうサム・ロックウェル
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2018.2.27 TOHOシネマズ日本橋にて2回目
サム・ロックウェルに
心の底からからアカデミー賞を
とってもらいたい。
こんなに複雑で見せ所の多い役って
そうそう出会わないのではないか。
重そうなお腹抱えて
大仰に見えるのに
実は外連味なく演じてる姿には
笑わされうるっとさせられ
個人的に拍手喝采してました。
この群像劇
半端なくいとおしい。
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2018.2.13 TOHOシネマズ日本橋にて1回目
冒頭からラストシーンまで
画面に目が釘付けだった。
怒りにかられた人々の
表も裏も生き生きと描かれ
善悪の尺度がその都度ぶれていく。
俳優たちひとりひとりの怪演が
心に焼きついて離れない。
マクドーマンドの潔さ
ロックウェルの小物さ
ケイレブの胡散臭さ
…また観たくなってきた
さすがトロント観客賞だわ。
世界のどこかで
リアリティーは高いが映画としてはどうか
不思議と魅力的な作品。
アカデミー受賞間違いなしの傑作!
レビュー
アメリカへの皮肉満載
凄い映画でした
アカデミー賞候補作品である事は間違い無いと感じた。まさに、圧倒的かつ心にグイグイ来る映画。こんな映画は久しく観て無かった。
物語は淡々と始まり、穏やかな雰囲気もありながらチクリチクリと刺激を与える前半。そして後半、ある人間の死から怒涛のごとく巻き起こる事件.....幸せとは何か?正義とは何か?不条理とは不適切とは何か?憎悪とは何か?人は人を許せるものなのか?...この物語の終わり、それは答えであり答えで無い。観る者を試す終わりだ。
いやぁ、大傑作だ。かといって、すぐにまた観に行きたくなる映画では無い。忘れた頃に、またこの映画の超絶的刺激を味わいたい。そんな映画が一番素晴らしい。
文句なく5点満点だ。
俺はこの映画の次にどんな映画を観るのだろう。どんな映画も今作に敵わない気がする。
「怒りは怒りを来す」
とっても頭が悪そうな女の人が言った「怒りは怒りを来す」、これがこの映画を表していると思いました
主人公のミルドレッドの怒りの連鎖いろんな人を巻き込んでいく、寂しさが漂う映画でした
この映画は、犯人が誰なのか、伏線回収が出来ているとかそういう映画ではなくて、もっと深い人間ドラマだと思います
皆が何か問題を抱えていて、善人・悪人という枠ではありません
ミルドレッドは言ってはいけない事を言ってしまったけど、母と娘の口喧嘩なんてどの家庭でもごく当たり前のもので、犯人を逮捕してほしいというより、あの喧嘩での後悔からスリービルボードができたように思います
怒りからは何も幸せな事は生まれない、署長の手紙とオレンジジュースから変わっていきましたね
とても見応えのある映画で満足感でいっぱいです
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