劇場公開日 2018年2月1日

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「きっとこの世は愛で溢れている」スリー・ビルボード 映画野郎さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0きっとこの世は愛で溢れている

2018年3月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

…ただ、ちょっと周りが見えなくなってるだけ。

日本において「一億総ツッコミ社会」言われる昨今、インターネット(特にSNS)での心ない誹謗中傷や揚げ足の取り合い、マスコミ含め人の不幸を面白がる風潮が拡がっている。(人類はそんなことでしか快楽を満たせないはずじゃない)

そんな世の中を見事な群像劇で風刺した作品。
娘をレイプで殺された母親が掲げた3つの広告看板「スリービルボード」。それをきっかけに取り巻く人たちの運命が複雑に絡み合っていく。独りよがりや思い違いすれ違いが繰り返されるなかで、そのひとつひとつの交差に人それぞれの苦しみや悲しみ、そして優しさがじわりと滲み出る。

憎しみ合いからは何も生まれない。

いがみ合ってしまう人たちもきっとどこかで愛を持っている。その想いに触れ、他人に不信感しか抱けなくなっていた主人公の心も解けていく。

惨忍な描写も多くあるが、平和を願い愛に溢れた映画だと思う。
アカデミー賞はじめ数々の映画賞を受賞したのも納得。

もの語りたがり屋