劇場公開日 2018年2月1日

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「ベタな展開ではない斬新なサスペンス」スリー・ビルボード ayayanさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ベタな展開ではない斬新なサスペンス

2018年3月13日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

最高に面白かったです。
まず、導入部分からぐっと惹き込まれました。
曇り空の下、寂れたビルボードが物憂げにそびえ、静寂な雰囲気に反して感情に何かを訴えかけてきます。
流れる崇高なオペラの歌声の中に、孤高さとフランス映画のようなお洒落さを感じました。

その後は、導入部分とは打って変わって過激です。
激しい怒りの感情は誰かが善悪で括れるものではなく、矛先が違ってしまっても軌道修正なんてできず、様々な人の感情が交錯してしまいます。
お涙ちょうだいもののヒューマンドラマとは全く違うサスペンス。

さらにマクドーマンドさんが素晴らしい。
我が子が残忍に焼き殺されたとしたら、殺意だって湧き起こりますよね?
自分を責め続けますよね?
その怒りを真っ直ぐに表現することしかできない不器用なやり方で、社会と自分自身を罰している偏屈さや哀愁の様なものが、殺伐とした表情から伝わってきました。

過激なストーリーでありながら、陰湿さなど感じないのは、息子や署長、広告会社の人など周りの心優しいキャラがグッとくるからだと思います。
火傷を負ったディクソンも良い!

観て良かったです。

saiko *