マノロ・ブラニク トカゲに靴を作った少年のレビュー・感想・評価
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キャッチ―なタイトルに釣られて観てしまいました
マノロ・ブラニクさんを知っていたわけではないがタイトルのトカゲに靴?に惹かれて観てしまった、ところがチョコレートの銀紙を足に被せて遊んでいたというエピソードだけ、キャッチ―なタイトルに見事引っかかってしまった。
映画から作品や業績の素晴らしさは伝わるが私生活は不自然なほど謎めいている、繊細で美しいデザインセンスから想像はしていたが評論家のディエゴ・セメレーヌによればマノロはどうもゲイの様だ、映画の中では生涯独身で淋しがり屋の一人好きと笑っていたが若い頃はイケメンだったので残念がった女性も多かっただろう。ファッション業界では当たり前のようだしミケランジェロやダビンチもそっち系だったから脳科学的に探れば因果関係があるのかもしれない。脱線したが知る人が限られるセレブ御用達職人だったら映画化はしなかったろう、「セックス&シティ」でサラ・ジェシカパーカーが吹聴したことで一般に広まったが当のマノロご本人は関心が無いようだ、サラ・ジェシカパーカーは「マノロ・ブラニクUSA」の社長兼デザイナー、ジョージ・マルケムスと組んでマノロの廉価ブランド版、自身の名のついたブランドを立ち上げたというから商魂たくましい。マノロは映画化を承諾したことを途中から後悔したようだが個人的に親しいマイケル・ロバーツ監督の熱意でなんとか撮り終えられたようだ。「プラダを着た悪魔」のモデルになったアナ・ウィンターさんも出てくるし活気に満ちた昔のロンドンのスナップ映像やアフリカン・ショーも面白かったので結構楽しめました。
マノロ・ブラニクの人としてのチャーミングさに救われる
ファッション業界のドキュメンタリーでは「メット・ガラ」の裏側を追った作品が記憶に新しいけれど、ファッション系のドキュメンタリーだと、きちんとファッションの技術やその発展を見据えた作品がある一方で、品のない似非セレブが金に物言わせて高価な装飾品を身にまとう事を賛美するような、ファッション業界の嫌なイメージが目につくような作品を見てしまうことも多くて、ちょっと躊躇する部分もあった。率直に言うとこの「マノロ・ブラニク」も最初は躊躇する気持ちの方が強かった。「セックス・アンド・ザ・シティ」で世界的に有名になったデザイナーなだけに(実績は当然のことながらそのまえに確固たるものがあった)、「SATC」にかぶれたセレブ気取り向けの人々向けに作られた映画だったりするのかな?なんて思ってしまったりした。
それでも、やっぱりあのマノロ・ブラニクのドキュメンタリーだと言われて、興味が沸かないはずがなかった。まぁ確かに、ファッション業界ドキュメンタリーにおける嫌な部分もなかったわけではないけれど、それを払拭するくらいにブラニク自身がチャーミングでユニークな人だったので、それが本当に救いだった。ただ、彼が靴づくりに対して何に着想を得てそれをどう具現化しているのか、というような、彼の靴が生まれていく道程などにはさほど興味がないらしく、とにかく「SATC」などで広く知られるようになったマノロ・ブラニクってどんな人?ってことだけを追っているドキュメンタリーに思えたのは少し残念な部分。私の個人的な思いだけで言うと、ブラニク自身にも興味はもちろんあったけれどその一方で彼の技術力やクリエイティビティこそ垣間見たかったという気もするのだけれど、それでもまぁブラニクに人間としてのチャーミングさを感じるにつけ、なんだかこれはこれでいいのではないか?と思える様にもなっていた。作り手ももしかしたら、本当はブラニクの職人としての姿を映そうとしながらも、彼自身のチャームに惹かれて彼の人となりを撮りたくなってしまったのかも?なんて。人となりを見せるドキュメンタリーって簡単なようだけれど、それはつまりブラニク自体によほどのチャームがなければ成立しえないものなのだから。
個人的に、リアーナがファッションアイコンだというのがまったく理解できない。着こなしに個性とスタイルがあるのは分かるけれど、何しろ品がないんだもの。あの笑い声・・・下品だわ。
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