ホーム・アゲインのレビュー・感想・評価
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『一人の男に囚われて生きる事を拒否する姿勢』
随分と軽佻浮薄な女性の恋愛と見てしまいがちだが『一人の男に囚われて生きる事を拒否する姿勢』が大変に良いと思った。
末娘の父親を見る目が純粋に父親を愛しているように見えるし、それぞれの登場人物も裏腹が無い。
だから、善良な人ばかりの全くありえない話なのかもしれない。しかし、痴話でもめてゴタゴタしない所が良いのだ。途中、殴り合いの場面はあったが、痴話でのもめ事ではない。
母ナンシー・マイヤーズ映画の劣化コピーのような映画
監督のハリー・マイヤーズ=シャイアは、ナンシー・マイヤーズとチャールズ・シャイアの娘だ。製作には母ナンシーの名前があり、出来上がった作品はもうまさしく、母ナンシーのコピーのような映画だった。
個人的にナンシー・マイヤーズの映画は決して嫌いではないし、ロマコメ好きの私には嬉しい作品を生み出してくれるので、新作が公開されると失敗してもいいというつもりで観に行ったりもする。ただこの「ホーム・アゲイン」は、母ナンシーのコネと金を使って母ナンシーの真似事をしただけの映画としかどうしても見ることが出来ず、映画館ではなくNetflixでの鑑賞にとどめることが出来て本当に良かったと思ったほど。もしこの映画が劇場公開されていたら(リース・ウィザースプーンも好きな女優さんだし)絶対に映画館へ行って心底落胆していたに違いない。
兎にも角にもハリー・マイヤーズ=シャイアの愚かな妄想をそれらしく映像化しただけの実に独り善がりな内容なのだ。自分が積極的にならなくても自分を好いてくれる男が2人以上いてくれて、しかも一人は若いイケメン。更にそのイケメンには友人がいて、HP製作など技術面に長けた者とまるで女友達のように話が出来る理解者で、2人は子守りまでやってくれるという至れり尽くせりぶり。一応は傷心で実家に帰ってきたヒロインだとは言っても、大物映画監督を父に持つヒロインの実家は客間が何室あるんだか分からないような豪邸だし、ふと思いつきのように始めるビジネスがインテリアコーディネーターだなんて、時間の余った主婦(今どき暇な主婦なんて存在しないけど)が退屈しのぎにネットに投稿する恋愛小説じゃないんだからさ。母ナンシーの映画も、ある種ナンシーの妄想や空想を可視化したような作風であることも否定できないけれど、この「ホーム・アゲイン」の妄想ぶりはちょっと見ていられないレベル。全てがヒロインにご都合的に動いていて、どこも地に足の着いたところがない。生まれた時からお金持ちで育ったお嬢様が思い描く40歳女性のリアルって所詮この程度ですか?なんて嫌味もいいたくなる。
そして私が一番不満なのは、主人公アリスの「仕事」が物語の中でまったく決着しないまま終わったこと。40歳なんて男女問わず働き盛りだし、ましてシングルマザー(年下の恋人に経済力はない)なのなら、生活していく上で真っ先に考えるべきは仕事のこと。アリスはインテリアコーディネーターとして仕事をはじめてはみるものの、セレブな顧客にお手伝いさんのように使われた挙句に別のデコレーターを雇われてアリスは実質無職状態(他のクライアントの仕事をしている様子なんて一切見えませんし)。しかし物語はその後はロマンスの行方と娘の初舞台に注視して、もはやアリスの仕事は放ったらかし。働かなくても生活できるんでしょうね。そうなんでしょうね。アリスにとってもインテリア・コーディネーターっていう仕事自体どうでもいいってことなんでしょうね。立派なHP作ってもらって良かったね、ってなもんです。
こんな金持ち娘の道楽に、リース・ウィザースプーンなんてトップクラスの女優を使われて、大御所音楽家ハンス・ジマーにまで作曲を担当させて・・・。なんかもう・・・呆れてしまいました。
久しぶりに、観ていて怒りがこみあげてくる作品でした。
長い人生の一切れにはもってこいの休息
長い人生のいっときに、40歳のセレブ女性と3人の若い男性(うち、一人は恋人風)の共同生活をしながら、女性、じょせいの子供、男性がみんなそれぞれ成長をしていく映画。
通して見たけれども。プラダを着た女の劣化版だと感じてしまった
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