ザ・リグ　深海からの覚醒

油田掘削の作業員が、嵐が吹き荒れる中停電してしまった基地で謎のクリーチャーに襲撃されるモンスター・パニック作品。
劇場未公開のB級作品に慣れ親しんでいる人は普通に鑑賞出来るだろう。予算の都合なのか嵐が原因の停電という設定にし、暗闇での戦いとなる為、ある程度はごまかしを効かせている。

よくある自分だけ助かろうという悪人は登場せず、皆家族想いの良い人ばかり。そんな善良な人々がやられるのは心が痛む。

怪物の正体は冒頭で掘削艇のドリル周囲に紫の噴煙が上がり、その時に噛み付いてきた歯が鋭い深海魚（？）なのだろうが、それに関する説明は一切描かれていない。だが、暗闇で襲い来る何かに恐怖しながらのサバイバルは中々ハラハラさせられ、それなりの盛り上がりを見せてくれる。演出等にも所々光る部分があり、この手の作品の中では上出来だろう。
だが、これと言って印象的な描写は無く、言い方を変えれば何の捻りも無い凡作である事は念頭におかなくてはならないだろう。それありきで鑑賞すれば、時間潰しの役目は果たしてくれるはずだ。