「これぞ正しくメイド・イン・アジア!!」Mr.Long ミスター・ロン MPさんの映画レビュー(感想・評価)
これぞ正しくメイド・イン・アジア!!
台湾の高雄でナイフ使いの達人と恐れられる殺し屋が、東京・六本木でのミッションに失敗し、逃れた先は北関東・栃木の平屋住宅。今はめっきり少なくなったトタン貼りの家屋が建ち並ぶ風景は、主人公から見ればどこかの異国。また、土地の住人から見ると男はどこかのアジア人。言語を排し、互いの気持ちで対話を始める人々の物語は、どちら側にも組みしない、真の意味でのコスモポリタンな視点で終始綴られる。それは、監督のSABUも、主演のチャン・チェンも、映画人としてボーダレスな動きをして来た者同士だからだろう。強いて言うなら、これぞ正しく"メイド・イン・アジア"。同じ地域に住まう彼らの気概が画面からほとばしる映画に立ち会う至福を、是非体感してみて欲しい。
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