「しおりさん…」モンスター・プロジェクト　MASERATIさんの映画レビュー（感想・評価）

POV作品を多く観賞するようになってから踏む回数が増えた地雷。本作もまた爆発を起こした。映像作家志望の若者が世間から注目を浴びるべく、自称「モンスター」と名乗る人を募り、インタビューをするという「モンスター・プロジェクト」を企画。
そこにやって来た男女三人が本当にモンスターで…とB級臭の強い良い感じの掴みだった。そんなこんなでかなり楽しみにしていたのだが、やはりこの手のホラーは期待は禁物である。

設定は意外と好きなのだが、肝心の恐怖シーンで画面がブレ過ぎて分からないのである。また、いざ事が始まるとずっと同じことを繰り返すようなワンパターンの恐怖演出で幻滅した。それぞれのシーンを見れば怖いのかも知れないが、同じトーンの描写になっている本作は盛り上がり所で飽きてくるという致命的とも言える状態になっていた。

しかし、悪魔に憑かれたという日本人女性の「しおり」は桁違いの怖さだ。そしてかなりのキーパーソンであり、正体にはかなり驚いた。ホラーファンが作ったであろう嬉しいシーンもあるが、難点がどうも多くて引き立っていない。
そして、オチはPOVでありがちなどんでん返し。POV好きは多くいるだろうが、これは自信を持ってオススメは出来そうにない。