ガン・ファイターのレビュー・感想・評価
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すごくよかった
ロック・ハドソンがエイズで亡くなった記事を当時週刊プレイボーイで読んで、乱れた性生活の印象で、きちんと映画を見たことがないままだった。この映画では素敵な男っぷりのいい男で、敵のカーク・ダグラスと友情が芽生えていくところもいい。カーク・ダグラスもまた、魅力的でかっこいい。気の毒なのはヒロインの旦那さんで、年寄りとは言え亡くなったのに奥さんにも娘にもちょっとしか悲しまれていない。
恋の物語に展開して、そこからの決闘が自然で熱い。
それにしても牛を500頭も連れて国境を超える旅をするなんて、この上なく非効率だし危険極まりない。
早撃ちにはデリンジャーが一番。命中率はコルトが上だ。
かつての恋人ベルの住む牧場を訪れたオマリーは主人と「千頭の牛の5分の1をもらう」という契約を交わす。オマリーと保安官は腐れ縁。しかしメキシコでは逮捕権はないので、目的地のテキサスまでお預けだ。オマリーは人殺しだが、詩人でもある。特に、“セントエルモの火”を見せて語るシーンは印象的。そして執拗なほど追ってくる保安官ストリブリングは妹の夫ジミーをオマリーに殺され、その妹も自殺してしまったという因縁があったのだ。彼の妻と娘はインディアンに殺されたというオマケみたいな因縁もあった。
キャトル・ドライブが中心となるのだから、ロードムービーと言えなくもない。ベルの夫が酒場で殺され、悲しむ間もなく目的地のテキサスへと向かう一行。途中、インディアンに襲われそうになったとき、オマリーが思わず一人を撃ち殺してしまう。ストリブリングは咄嗟にインディアン居住区に向い、インディアンの大群を連れてくる。オマリーが契約した牛5分の1を渡すことで平和的に解決したのだ。なぜかこのエピソードがトランボらしいところかもしれない。
徐々にベルに惚れてゆくストリブリング。もう強引に求婚するんだから、オマリーもたまったもんじゃない。そんな折、流砂にはまったストリブリングを見て、途中で雇われた荒くれ者3人組が全てを奪おうとするが、彼を助けたオマリーとともに危機を救う。ストリブリングがベルを、オマリーがメリッサ(キャロル・リンレー)を助けたのが決定打となったのか、カップルの構図が決まってしまう。
国境を渡ったら、逮捕か決闘か・・・メリッサの愛らしく熱烈な告白によって父と娘のような歳の差を超えて愛してしまうオマリー。ベルのほうも結婚を承諾したようだ。しかし娘と駆け落ちしようとするオマリーに対して、ベルは「メリッサはあなたの娘よ」と告白。結ばれることのない愛だったのだ。そして二人は決闘の道を選ぶのだが、オマリーは弾倉から弾を抜いていた・・・
どちらかと言えば愛をメインにしたドラマではあるが、西部劇のいいところを目いっぱい取り入れた作品。千頭の牛追いシーンも迫力ある。残念なのはベルの夫が死んだときの心理描写がイマイチなこと。あまり悲しんでる様子には見えないぞ。
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