「向き不向き」METライブビューイング2017-18 モーツァルト《魔笛》 マッターホルンさんの映画レビュー(感想・評価)
向き不向き
自分の期待や、こうであるべき、とは異なった内容の芸術を鑑賞することのなんと苦痛なことか。衣装に始まり、演出、どこをとっても期待と違って、ざっくばらんで、フリーメイソンみたいなザラストロにがっかり。魔笛の正統派をあまり知らない初心者には辛かった。
ライブの紹介も、幕間に緊張感の全く感じられないリラックスした出演者へのインタビューは、魔法の世界に入りたい鑑賞者を現実に引き戻し、興ざめ。
とはいえ、自分の関心を持てないものへの許容力を持たねば自分以外を受け入れられなくと思わせた一夜であった。
そらから、指揮者のセクハラ問題。少年の姿を見るたびに嫌な気持ちになる。間に合わなかったのだろうが、タイミングが悪くて、芸術と人間性について胸が悪くなった一夜であった。
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