「長い」泣き虫しょったんの奇跡 U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
長い
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どおやら実話のようだった。
物語は主人公が小学生の頃から始まり、ほぼ端折る事なくプロ棋士になるまでが描かれる。自伝との事なので語る必要はあるのだろうが、いかんせん長い。
ラストに至りそのエピソード達が収束していく感はあるものの、それでも割愛する余地は多分にあったように思う。
正直、ダレる。
あり得ない程、俳優陣が豪華なのはテアトル制作のなせる業なのだろうか?
思い返してみたら名前のある俳優陣を起用したおかげで切れるモノも切れずにいた印象も残った。本末転倒とまでは言わないが…それはそれで考えものだと思う。
物語的には業界が激震する程の革命が起こっていたようではある。
革新の是非はさておき、その渦中にこの主人公はいた。ドラマティックな半生なのである。当の本人より周りが過熱してしかりではあるのだが、その辺りは以外とくどく語られる事はなく…6番勝負の対戦相手達からも事の重大さが伝わるような事はなかった。
全体的に薄味な印象の作品だった。
そんな中でも、流石と唸るのがイッセー尾形さんだ。最後の1カット、勝利の報をラジオから聞いた時の喜びように胸が熱くなった。
彼だけが、この偉業がどれほどの事であるか語ってるようにも思えたし、夢を託した己も、それすらも挫折してしまった不甲斐なさも、彼等への心残りも十二分に表現してくれてるようであった。
ダラダラとして作品の中にあって唯一胸がすく思いがした。
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