「偉大なるオルタナティヴへのご奉公」花筐 HANAGATAMI いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
偉大なるオルタナティヴへのご奉公
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『ハッピーエンドを創ったのはユダヤ人の叡智』とは、上映後、大林監督御大が病身をおしてわざわざ高崎迄出向かれた際お言葉である。お声は小さかったが、それでもお話しは淀みが無く、貴重な内容であった。
で、今作の内容は、その大林ワールドの集大成と言って良い程の映像作品であった。ここまで来れば、ストーリー的にどうかとかよりも、映像そのものの美術的価値や哲学性そのものに浸るという姿勢で臨むのが、正しい鑑賞方法なのかと思う。キャストの人達も多分、この稀代の天才映像作家の手向けとして、監督の脳内のイマジネーションを再現しようと必死な様をスクリーンを通じて痛いほど伝わっていた。
日本にもこれだけの形而上学的且つトリックスターな映像作家が存在しているのだということを世界に知らしめる作品であると誇らしく思う。尚、決して商業映画ではないのでストレートな感情の発露は生まれないことを断っておく。ちなみに自分如きが説明できる能力は持ち合わせていない。
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