希望のかなたのレビュー・感想・評価
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みんな良い人
アキ監督の描く人は良い人が多くて安心して見られる。この映画も誰一人として悪人はいず、自分の嫌いな暴力シーンは無いが、その中で海外の移民問題が重くのしかかる映画だった。
少しの社会意識と、少しの笑いと感動
爆笑とか感涙はないけれど、独特の絵と雰囲気そして音楽などで非常に楽しむことができた。
難民問題をはじめ、日本ブーム、国粋主義、偽造、熟年離婚などなど、さまざまな現代社会の問題が詰め込まれて、一層興味を刺激され最後まで楽しむことができた。
基幹となる難民問題さえもがさらりとした印象で、だからこそ多くの人を惹きつける魅力を感じた。
難民の現実というよりも、きれい事が並び立てられていると思ったけれど、それは非現実的というよりも作家の願望のようにも感じた。厳しい現状に対する作者の願い…その願いは遠く厳しい現状が今の世の中確実にある…楽しい映画の中にもそんな強い意志を勝手に感じ取った。
見えない国境を超える
難民三部作の二作目
社会問題をストレートに語っていてわかりやすい。
とてもシリアスな題材ですが
カウリスマキ監督作品特有のキャラクターのやりとりはクスッとした笑いをたくさん生み出し、劇場ではたくさんの笑いが起こっていた。
映画のシリアスさとユーモア。
2つのまったく違う世界観に不自然さを感じたもののその感覚が監督が意図したことだと終盤にむけて明らかになる
難民と自国民
二つの言語、文化、
'あちら'と'こちら'
本来は見えない国境が立ち塞がる
2つの繋がりそうのない世界が、物語が進むうちに少しづつ違和感をもちながら近づいていきマージしてゆく様はほんとうに素晴らしい。
そして、毎度ながらカウリスマキ映画のぶっきらぼうなキャラクターたちの愛のある暖かい眼差しに心が揺れた。
原題(Toivon tuolla puolen)の意味が知りたいところです。
社会問題を直視した力作
フィンランドに辿り着いたシリア人難民(カリード)と市中レストランのオーナー・従業員たちとの交流を描く。実情を無視して形式的に処理されている難民受入の現状と、不法滞在者となった彼らを何事も無かったように自然と受け入れて見せる一般市民の懐の深さを実に淡々と描いてみせてくれました。ヨーロッパ中に広がるこの問題は政治目線で解決するには限界があること、それよりも、一般市民にこそ、この問題を解決する知恵と力があることを、さり気なく、しかし確信を持って観客に訴えているように感じました。監督の信念を感じた作品です。
ロック音楽といつもの仏頂面の面々
期待したほどではなかった。多くのいい評価をした人ほどにに私の観賞力及ばず。
貧しい者同士の助け合いは、現実にあるが、話がうますぎるところも。
後日談を観てみたい。
この主人公の後日談を是非、観てみたい、そう思える作品でした。出来れば、しっかりと生き延びて、明るい将来が約束されたような後日談を観てみたいのです。難民問題に関しては実際の話、余りに悲惨な話ばかり伝わってくるので、せめて、映画の中でくらいは、救いがあってもいいではありませんか。年を経るごとに世界はどんどん、おかしくなり、より酷薄になっていくような気がします。
全ての国家にそれぞれの賢い指導者が現れることを願うのみです。
他人事でない
やむなく故郷を離れたシリア難民の主人公カーリド。
状況は特殊でも、彼ら自身は特殊なわけではありません。
難民としてヨーロッパに渡った人たちは、安くはない金額を仲介者に払えるような人。本国では修理工だったり看護士だったりと、それぞれの仕事に従事していた人たちです。
それが一転、仕事はない、難民申請も受け入れてもらえない苛酷な現実に見舞われる。
決して他人事ではないと感じました。
難民に限らず、自身が困難な状況に直面したとき、あるいは目の前にそういう人がいたらどうするか、何ができるか、考えてしまいました。
アキ・カウリスマキの映画を見るのは、私は「ル・アーヴルの靴みがき」が初めてで、「希望のかなた」は2作目です。
色彩や画面が独特ですね。
日本ネタが出てくるのにもちょっと驚きました。
難民というタイムリーな題材を扱う2作目であるが相変わらず無表情な登...
難民というタイムリーな題材を扱う2作目であるが相変わらず無表情な登場人物達であるが、交わされる会話や行動、仕草からいつの間にか表情豊かに見えてしまうアキカウリスマキマジックは健在
特にレストラン従業員の3人衆の最初の印象からまた最後に至るまでの印象がガラッと変わっていて個人的MVPだった
ただ難民を取り巻くこの世の汚い、暗黒または非情とも言える部分はかなりストレートな描写の仕方をしている
フィンランドに来ての仕打ちにも無表情で耐え、凌ぎつつも優しい住民達となんとか希望を繋いでいく主人公に拍手、
ラストの妹の行く末を案じつつも未来への展望に馳せてるような穏やかな笑顔も良かった(途中から主人公の顔に山田○之の面影がチラついてしまったのは内緒)
あと唐突な寿司パート大好き
シュールな笑い。。
難民問題??ちょっと興味を持って観てみたら。。
北欧の街。。とても質素で、味気ない。。
みんな心から笑ってない。。難民問題は、シビアで複雑すぎて。。解決は難しい。。
映画の世界で、描かれているのは、そのままの現実と、シュールな笑い。
寿司レストランのシーンは、唐突で、笑うしかない。
日本にはまだたくさんの笑いと豊かさがある。。
しかし、精神的に貧しい人も増えているように思える。
とにかく。。これは。。
シュール過ぎて、と惑いました!笑
邦題ほどの大きな収穫はなかった。
「へぇ、そうきたか。」という印象です。
難民と聞いて、覚悟が必要な映画なのかなと思ったら、全然違っていました。
あまり重く見させたくないという制作側の意図なのかもしれません。
音楽とか、やけに良かった。
フィンランドって遅れているの?
それとも一時代古い映画なの?と思うくらい、ダサさも感じる映画ですが、嫌ではありませんでした。
山田孝之さんが出てたって思った。
移民問題は…
この映画を辛口評価すると、血も涙もない人間と思われそうですが、移民の受け入れに関して、そんなに結論を出せないのではないでしょうか。
終始モヤモヤ、一体何人?今何語しゃべってるの?そんなに見ず知らずの人を受け入れられる?
あまりにピンと来ない、見えない世界過ぎて、理解できなかった。
すみません、教養なくて…。
反動も広がる欧州でのマイノリティへのあたたかい眼差し
大晦日の1本目は渋谷のユーロスペースでかかっているフィンランド映画『#希望のかなた』。中東からの難民受け入れという欧州のコンテンポラリーな問題を、ところどころコミカルなシーンを交えて描いた作品。
静かなカメラワークに、登場人物に必要以上の会話をさせず、むしろモノのアップや人の動作のカットで多くを語るミニマルな感じは、(しばらく観ていないから記憶違いもあるけれど)昔好きだったクシシュトフ・キェシロフスキの映画を思い起こさせた。
そのうえ、音楽も必要以上には流れず、路上や飲食店のバンドなどの生演奏や、ジュークボックス、ラジオから流れる音楽を除くとBGMはない。それゆえ、逆に、ところどころで登場する歌は意味を持つように感じられて、意識が向けられる。
このように基本的に静かな作品の中で、淡々と滑稽なものを畳み掛けてくる中段での演出はとてもシュール。
欧州に広がる極右主義についても触れつつ、草の根の、そしてルールからは外れているにはせよ基本的には善意によってマイノリティへ助けの手を差し伸べる一般市民たちのあたたかさが描かれている。年末に見るのに良い作品。
2017年 通算52本目(目標まで1本)
感想:★★★★☆
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