「あれで終わり?えー?悲しいやんかー。」希望のかなた だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
あれで終わり?えー?悲しいやんかー。
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アキ・カウリスマキを、ずっとアキ・カリウスマキだと思っていました。「過去のない男」は見たことあったはず?と思ってましたが、記憶にも記録にもないので多分カウリスマキは初めて見ました。
「ル・アーヴルの靴みがき」は見たいと思いつつ見れてないです。
語り口はコントのような感じなんだなーという印象。
対象との距離が保たれたドライでシュールな人物描写です。
カーリドの珍道中はおかしさと切なさがないまぜです。
カーリド自身の希望を見つける話ではないんですね。
妹を助けたいという希望を叶えた話です。
しかも妹をエジプト人に偽装してフィンランドで暮らさせることは拒まれ、妹は名を捨てずに亡命申請を選ぶんです(つまりカーリドと同じく認められないことが明白)。でもそれが彼女の望みならばということで、カーリドは妹を見送る。
そしたら全編を通してチラチラ出てきてたネオナチにぼこられてカーリド重症。なのに川辺で初めての満面の笑みを見せて終わっちゃうんです。
え?え?カーリド可哀想すぎやん?やだ死ぬの?やだよー!!
そんな気持ちで叫びそうでした。
シュールなユーモアでほっこりほっこりで終わるんだと思ったら、客観的に見ると悲劇で終わる。
でも本人は満足気。
外野の私が彼の選択についてとやかくいう筋合いはないけどさあ。カーリド…自分の幸せも探してよ。さみしいやんかぁ。
ということで、悲しいまま突き放されてしまってわたしショックよ、という感想です。
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