「女性の性についての扱いがとても気になった」MOST BEAUTIFUL ISLAND モースト・ビューティフル・アイランド 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)
女性の性についての扱いがとても気になった
悪趣味のお金持ちの割合って、統計の取りようが無いからよく分からないけど、間違いなく一定数いるのですね、きっと。
欧米だと、例えばイルミナティの儀式などが俗っぽく意味合いを変えて、貴族や富裕層の特権として発展した密やかな集まりとなることがありそうだし、何でも賭けの対象にしてしまうイギリス人の気質なども考えると複合的にそういう場ができてしまうこともいかにもありそうな気がします。
経団連の重鎮やIT企業の若手社長、医者や弁護士などの富裕な個人事業主がアイズワイドシャットで描かれたような秘密の仮装パーティーなどに顔を出す(顔を出さない為の仮面なので矛盾した表現になりますが)なんて殆ど想像出来ない日本ではリアリティがないし、この映画で描かれているようなリスクを負わなければいけない社会保障番号が取れないような女性たちも日本では殆どいないのではないか、と思っているのですが、実際のところどうなのだろう?
この種の映画で怖いのは、あの場を仕切っているのが女性なので、女性自体が女性の性的な虐待(全裸になる必要は無いのにそう演出されている)を場合によっては女性の武器として使っていることの帰結なので仕方ない、或いは許容される、と受け止めてしまう人がいることだと思います。
芸術的観点でヌードが美しいことと、ある種の性暴力に繋がりかねない状況が許されてしまうことは全く別物であることについてもっと敏感になる必要があると思っているので、そのあたりが少し心配です。
あと、あの中華系の社会の描き方ですが、たぶん輸入が禁止されているはずの猛毒の蜘蛛は、アメリカにおいても、中国系の密輸組織が象牙などと同じように扱っている、ということなのでしょうか。