「スペースオペラ・ミュージカル」劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ Geso_de_Nyoroさんの映画レビュー(感想・評価)
スペースオペラ・ミュージカル
TV版の総集編という位置づけのこの作品ですが、ワルキューレをよりフィーチャーした編集となり、ハヤテ&ミラージュの戦闘組ほかの活躍が微妙に薄い印象に(メッサーの件はマズマズ)。極端な言い方をすればワルキューレのプロモーションと言えるでしょう。
作画の一部僅かな劣化を見逃したとして全体的な雰囲気は悪くなく、楽曲の秀逸もあって比較的楽しめる作品です。もっとも総集編という事情から少々荒っぽい編集は納得した上での感想です。
ソロのミンメイ、ロックのバサラ、ツイン(ユニット?)のシェリル&ランカ、そしてグループのワルキューレと、時代に沿ったアイドル・音楽シーンの形態を反映して楽曲が展開するのが、個人的には時代の移り変わりを見てるようで何だか感慨深い思いがあります…
今でこそアニメ人気が好調で、アイドルを扱った他作品『ラブライブ!』や『アイドルマスター』なども御存知の通りの大盛況。マクロスはそのアイドル楽曲にメカニカルバトルが合わさって、1作で2度オイシイ人気コンテンツとなりました(偶然? ↑上記全てバンダイナムコ作品)。
ですがやはり、個人的にはハード面もキチンと見せて欲しかった感は否めません。メカの描写が速すぎて目が追いつかず、敵味方が入り乱れる近接戦闘や、ファイター〜ガウォーク〜バトロイドの変形(この作品独特でウリの一つ)、武装ユニットの展開・活用などの戦闘シーンが目まぐるしくて殆ど見えません。敵味方の見分け(ジークフリードとドラケン)すら困難になるなど、オッサンには厳しく忙しい画面展開です。それが戦闘組主役の活躍が薄い印象の要因の一つと思われます。この辺をもっとシッカリキチンと描写すると、ビジュアル的に更に濃度が増すと思うのですが…
また、機体がシェーカーの様に激しく動くコクピットの中でベルトもしないで歌っているフレイアなど非物理的描写の数々や、主軸となる基本ストーリーの展開はありふれてて特別な変哲はほとんどなし、などのあまりプラスに作用しない部分もありますが、上記の華麗なる見せ場の数々でかき消されるレベルなのでヨシと考えています。
なかなか面白いシリーズですので、息長く展開して欲しいコンテンツの1つです。可能であれば、前後編に分けて欲しかった感もあります。鑑賞料金倍額になりますが…