「どういうメッセージを込めた映画なのか」デトロイト 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
どういうメッセージを込めた映画なのか
『ゼロ・ダーク・サーティ』『ハート・ロッカー』のキャスリン・ビグロー監督の作品ということで鑑賞。1960年代当時の黒人差別の実態を、リアリティある描写で表現できていた点はよかった。しかし、ストーリーは冗長であまり面白くない。
白人の黒人に対する罪が軽視されるという題材は、次世代に差別を残さないというメッセージを感じさせた『ゴースト・オブ・ミシシッピー』や、差別主義者の醜悪さを浮き彫りにすることで人間の性質について考えさせられた『ミシシッピー・バーニング』などを連想させた。しかし、今作はそれらの作品のようなメッセージは感じられず、ただ事実を再現しただけという感じで、後味が悪いだけの映画という印象を受けた。
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