「事実」デトロイト U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
事実
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絶妙に生々しかった。
差別とか黒人への迫害をテーマにした作品は数々あれど、映像技術の進歩や風潮などにより臨場感が半端ない。
終始、眉間に皺をよせて観てた。
前半後半みたいな事になってて、前半は漠然とした暴動の経緯や状況などが群像劇かと思う感じで展開されていくんだけど、後半…モーテルの中に焦点を絞ったシーンの緊迫感に愕然とする。
白人警官役の人がこれまたベストなキャスティングで…風貌といい、目付きといい、黒人を迫害する事に躊躇も疑問もない。
当時の白人の有様を見事に落とし込んでらした。いや、素晴らしい演技でした。
「演技?」と疑問を抱く程に。
まあ、なんせ最初から最後まで、アメリカの闇というか人種差別の実態を事細かに描いた作品であった。
これは事実だったんだよなあ…脚色はあるものの。差別する側の残忍さと、される側の恐怖が生々しかった。
とてつもなく理不尽な理屈が、神の鉄槌かの如く降りかかってくる。
白人とそれ以外…。
バカげた思想だが、当時はそれが常識だったのだ。
大国の闇を垣間見た作品だった。
そして、その闇は今だに仄かに燻ってもいる。
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