「圧」デトロイト たろっぺさんの映画レビュー(感想・評価)
圧
画面演出に暗喩的表現が殆ど無く、非常に現実的である為、評価が難しい。
また、ハンディカメラで舐める様に映し続ける為、キャラクターと受け手の距離が近く、良くも悪くもデトロイトの長い夜を共に過ごした心地になり、結果が全てでは無い事を強制的に目撃させられる。
砂糖の甘みなど無い。
その分、個々の音響や役者の表情に満遍なく見せ所を作ってあり、それに救われた作品である様に思う。
ウィル・ポールターに拍手を。
物語が進むにつれ、自分の理解の遥か外である事を痛感した。
幕引きの直前まで3人くらいにツッコミをいれていたのだが、ラストカットでこれでいいやと思い直した。
深く考えると、また明けない夜がやってきそうで。
人間関係の希薄さというものには、どうしてもネガティブなイメージが付き纏うが、何がなんでも解決しようと、もがく程に糸は絡まる。
まずは自分と他者との間に線を引こう。
その上で握手の機会を伺えば良い。
何年でも何億年でも。
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