「劇場で2回観ました!!」デトロイト アンジェロさんの映画レビュー(感想・評価)
劇場で2回観ました!!
2回観ました。1回目は、れっきとした戦争犯罪の映画として大きな衝撃を受けました。一体この映画はいつまで続くのかととても怖かったです。あまりにも強烈な体験だったため再び観る事にし、2回目は警察側、特に眉毛が特徴的な警官隊のリーダー、クラウス視点で観てみました。市警だけではなく、州警察や軍の動きも気になるようになりました。クラウス、そして彼を演じるウィル・ポールター自身も、本作の中で最も冷静な人物であると強く感じました。クラウスは良くも悪くも職務に忠実でした(だから許されるという事では決してありませんが)。差別主義者だとまず黒人が警備員をしている事が許せないはずなので、差別主義者と言うよりは、まさにスタンフォード監獄実験(1971年。映画「es」の題材)のように職務に邁進し過ぎたのだと思います。演じるウィル・ポールターは非常に難しい役だったと思いますが確実にこなし、また眉毛と表情だけで雰囲気あるいは不快感を出す、特徴のある良い俳優だと思いました。表向きには歴史、社会問題ものですが、戦争犯罪ものやモーテルでの一夜のサスペンスもの、法廷もの等様々な要素があるのに、モーテルの描写がハードな事以外に構成も特に複雑ではなく、どなたでも観やすいという非常に良く練られた映画だと思います。男性監督だと「体を綺麗にしてやる!!」とか言って無駄にレイプシーンが入ったと思うので、そうならずにバランスが取れていたと思います。どんなに面白い映画でも、2回目以降は軽く流すシーンも多いのは事実ですが、本作は2回目も集中できて面白かったです。