「素晴らしい映画だった」デトロイト ヘルスポーンさんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしい映画だった
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本作は「ハート・ロッカー」、「ゼロ・ダーク・サーティ」の精神を受け継ぐキャスリン・ビグロー監督の社会派作品である。
当時の記録や関係者へのヒアリングを徹底的に行い、セットや状況や俳優の演技等を限りなく本物に近づけた圧倒的なリアリティに感銘を受ける。特に本作はビグロー監督作の中でも特に感情を揺さぶられる映画体験だった。
また、本作はシンガーを夢見た男ラリー・リードの物語としても見れるところが映画的な感動を呼ぶ。誰もいないフォックス劇場で1人歌うラリーと、教会でこじんまりと彼の歌を求める人に囲まれて歌うラリー、そしてラストシーンでこちら(観客)を見つめるラリー。ここがドラマとして良い感じに機能していた。
あの日アメリカが失った"大スターになったかもしれない存在"、ラリーは今回の事件がトラウマとなり大衆音楽から身を引き、教会で人のためゴスペルを歌っている。
そのラリー本人が本作を機に、あの日を語り、ラリー役を演じたアルジー・スミスとデュエットをして再び公に歌声を届け(https://youtu.be/vJ6t7ZLXMic)、ラストのレコーディングシーンにこっそり登場しているのを見て涙が出た。
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