「それぞれの心の闇」友罪 むっしゅさんの映画レビュー(感想・評価)
それぞれの心の闇
殺人、自殺、事故死、病死・・・様々な生と死の狭間を描いた心の闇の物語。このような作品をダイレクトに投げかけられ、受け取る観客は相当の覚悟を強いられます。
それらを表現する役者たちの迫真の演技は見応えあります。音楽も良いし映像も上手く見せています。ただ脚本が良い題材のワリに腑に落ちない展開になっているのが残念。これは監督のせいなのかどうなのか?
登場人物が多く相関関係が複雑。加えて次々と切り変るシーンによって先を読みにくくしているところが、非常に興味深い作りに感じて最後まで画面に惹きつけられました。
ただやはり瑛太と生田斗真の話に徹底して絞れば良いのですが、話を広げすぎて共感できる部分が薄れてしまっています。佐藤浩市のくだりは強烈に心に突き刺さりますが、富田靖子のくだりは中途半端なままで、これならばまるっといらなくても・・・。
結局、解決しないまま投げっぱなしのシーンや疑問だけが残るシーンが多くなり、不完全燃焼の感は否めません。題材が面白いだけにいろいろな部分で惜しい作品です。
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