「身勝手なアドリアン」婚約者の友人 yuyuさんの映画レビュー(感想・評価)
身勝手なアドリアン
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フランツの親族を訪ねてアドリアンがやってくる前半。
フランツの友人のふりをするが、嘘に耐えきれなくなりアンナに真相を打ち明けてフランスに帰国。
そして、手紙が戻ってきて行方がわからなくなったアドリアンを探しにアンナがフランスに行く後半。
アドリアンは身勝手に見えた。
手紙を書き続けるといいながら、故郷に戻ったことも知らせず、手紙の返事が来なかったことをショックだったとアンナに話す。許されることを求めすぎではないだろうか。
はるばるフランスまでやってきたら家は立派で、支えとなってドイツ行きを勧めてくれる女性までいる。アンナの気持ちを考えるといたたまれない。
フランツの両親のアンナへの接し方がとても心優しく、一人息子のフランツの描写は少ないものの、平和主義者だったという息子の人柄が想像できる。
ハンスのように息子たちを戦場に送り、勝利には喜んで酒を飲む、双方の父親たちに責任があるのだと思えるだろうか。
そしてそんな両親にフランツを殺したのがアドリアンだと真実を伝えられるだろうか。更にはフランス行きを後押ししてくれたのにその結果をそのままに伝えられるだろうか。
最後、モネの自殺という絵画を前に生きる希望が湧いてくるというアンナの言葉が希望だった。
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