「仕方のない犠牲」セブン・シスターズ Tiko Kaedeさんの映画レビュー(感想・評価)
仕方のない犠牲
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主演のノオミ・ラパスが一人七役しているわけだが、七つ子それぞれの個性を巧く使い分けて演技しており素晴らしい役者だと感じた。
この作品は人口過多により食糧生産が追いつかないため一人っ子政策が行われた近未来が舞台である。余分に生まれてしまった子どもは将来地球の資源が回復し豊かに暮らせるその時まで冷凍保存されるという仕組みになっているが、実際は冷凍保存ではなく焼却処分されていることが後半で明らかになっていた。
この作品の悪役として登場する児童分配局のケンマイは最終的に焼却処分が世間に知れ渡り死刑判決がくだるが彼女の行いは果たして間違っているのだろうか。
倫理的な観点でいえば勿論間違っているが、人類の生存のためには仕方のない犠牲であり、多生児が多く生まれる時代が続くのであれば子供達を保存するのにも限りがあるため彼女の行いは理にかなっているのではないだろうか。作中では富裕層と貧困層で大きな経済格差が窺える場面があるが、この政策が崩壊した後の世界ではより多くの貧困家庭が生まれ苦しむ人々が増えていくだろう。
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