「マッドサイエンティスト」TATSUMAKI タツマキ odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
マッドサイエンティスト
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上院議員に予算を止められ、研究所を追放された人工気象学者マーカス博士がワシントンで落雷、竜巻などを起こして復讐を開始する、疎遠となった二人の息子が再会し、博士の元助手の女性も加わって、この異常気象現象は父親の所業でないかと捜索、行動の阻止をしようと奮闘するお話。
異常気象映画では「ジオストーム(2017)」の方がメジャーだが着想は本作の方が先ですね。
いわば気象テロなのだが犯人も動機も早々に明かされるし、主に家族の関わりが軸なのでサスペンス感は希薄、嵐のシーンも既視感がありディザスター感も月並み、これといって見どころがある訳でもないから凡庸なSF映画に思える。
面白かったのは引用、異常気象を「まるで魔法のようだ」と言う上院議員に助手が「クラークの第三法則よ」と応える。クラークとは2001年宇宙の旅でも有名なSF作家アーサー・C・クラークのことで、彼曰く「十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない」のことですね。
気象操作には膨大なエネルギーを要するが発電網をジャックして捻出、エジソンと並ぶ電気科学者テスラの無線送電と同じと言っていた。テスラは資金繰りにも困窮し軍事産業にも色気を出しており殺人光線や人工地震発生装置のような危ないものにも手を染めたというから本作の博士と被って見えますね・・。
最後に消息不明になった博士の次男がチラっと登場、不穏な表情から、もしかして死んだ父親の遺志を継ぐのではと思わせる続編の予兆、まあ、もう結構ですがね。
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