望郷のレビュー・感想・評価
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雲間から少しずつ光さすに構成に魅せられる
湊かなえの原作小説をどのように映画化すべきかという方向性は、これまでに各監督によって様々なアプローチが選択されてきた。その点、本作『望郷』は瀬戸内海に浮かぶ島を舞台に、大人になった主人公たちが過去の記憶を遡りながら今を生きる手がかりを得るという、監督にとっても時間軸を巧みに操る、ある種の熟練さを求められる内容と言える。その点、ジャンルは全く異なるのだが、菊地監督は『ディアーディアー』で故郷にて再会する3兄妹の物語をコミカルかつ陰影深く描き出した逸材。ここでの手腕が形を変えて『望郷』にも活かされているのがありありと見て取れるし、全編にわたってやや重苦しい空気がはりつめる中、少しずつ雲間から光が差してくる構成は、この旅路の果てに救いを求める観客の心を裏切らない。これらの巧さと時折ハッとさせる演出の数々も、菊地監督が過去に瀬々、黒沢を始め名匠の助監督を務めていたと聞けば納得である。
驚くほどいい映画だった
映像の雰囲気にはもう少し暗いイメージを多用しても良かったのではと思ったけれど、期待以上にいい映画だった
日本映画にありがちな無駄なシーンがほとんどなく、2つのストーリーがミックスする展開が良く、1つのストーリーにまとめていたら全体がぼんやりとした印象になったように思う。
おじさん、おばさんが過去を振り返りしんみりとする、たまにこういう映画を見ると心が平穏になる
ひとつにまとめられなかったかな?
役者陣の演技には惹かれるのだけど、ふたつの物語に分かれているせいで、エピソードが希薄に思えてしまった。うまくひとつにまとめた方がストーリーに深みを持たせられたのではないかと残念に思った。
それに、タイトルの「望郷」が、ストーリーにあわない。
子供のいじめ、自殺を図るシーンがある
広島県因島が舞台、ロケも。原作者もここの生まれとか。短編の2つを使った物語。これだけでは最後に出てきた「望郷」のタイトルにはつながらず。各題の夢の国、光の航路は確かにしっくりくるが。
原作を読んでみたくなった。
進水式はCGなのか?とよくできている。冬のシーンばかりということもあるのだろうが少し白っぽいというか色味の抑えた映像がよかった。貫地谷しほりの肌の色が淡くてきれい。若い時と母の時と少し違う感じがするのが歳月を物語るようでリアル。
母と娘、父と息子の物語というバランスが素敵。
エイベックス・デジタルが単体で制作・配給しているせいか、ロゴひとつでいきなり始まったのでちょっとびっくりした。
感動ミステリーというのはちょっと違う気もするが、少しあたたかな気持ちにはなる。小さいながらも劇場で観て良かった。初めて聞くエンディング曲も映画に合ってた。moumoon「光の影」
イヤミス女王の本質では?
イヤミスの女王と呼ばれる湊かなえ女史だが、今作にこそ彼女の本質が現れていると思う。名作だった。貫地谷しほりや大東駿介、子役の演技も凄かった。
奇想天外なストーリーも大規模なセットも特撮も客寄せパンダも要らない。こういう味のある映画が大好きです。
睡魔には負けなかった
ストーリー性があって面白かったけど、おばあちゃんを映す時あんなにホラー映画みたいなBGMにする必要はあったのかな〜と悶々と考えている…。
それだけ主人公がおばあちゃんに恐怖心を抱いていたという事?
狭い世界の大きな苦しみと。
家、そして学校。
古くからのテーマなのかも知れないが、やはり重い。
しがらみを切ってつもりで、自分で縛っている。連鎖というものか。
考えさせられました。
今もどこかで一人で戦っている人がたくさんたくさんいるということ。自分もそうなのだろう。
それにしても、瀬戸内の風景の美しさよ。
投げた
実力派の大人キャストに加え
「きみはいい子」の加部亜門
「フジコ」の川島鈴遥
「湯を沸かすほどの熱い愛」の伊東蒼
の天才子役が集まった作品。
スタッフまでも素晴らしい。
昔の松竹映画を思い出した。
親父と息子、母と娘のふたつの家族の
辛くて優しい話だった。
鬱屈と解放
原作未読。
湊かなえ作の因島を舞台にした短編オムニバス6話からなる「望郷」に収録されている2作品が原作とのこと。
映画でも「夢の国」、「光の航路」の2話オムニバス+プロローグ&エピローグとなっている。
「夢の国」
お屋敷と呼ばれる大きな古い家に生まれ育った主人公が抱える家庭内不和と閉塞感の話でやりきれなさが堪らない。
「光の航路」
教師であった父親を早くに亡くした現役教師の主人公が生徒のいじめに遭遇し、自身と父親との関係にさかのぼって行く話だが、子供の頃の話とはいえ主人公に共感出来ないし話に深みを感じない。
全体的に、ゆったりとした空気感と閉塞感があり、明るい話ではないけれど明日に繫がる温かさと救いは感じられる。
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