「良くも悪くも"フリクリ"」フリクリ オルタナ N・キナーゼさんの映画レビュー(感想・評価)
良くも悪くも"フリクリ"
全体ざっくり言うと、平凡な女子高校生が恋に友情に全力にぶつかって、最後のちょっぴり成長するという少し前によく見かけたストーリーにフリクリの要素を足したような作品。
印象としては「癖のないフリクリ」といったところ。
だからOVA版のハイテンションで理解不能の爆発が立て続けに起こるような「癖のあるフリクリ」を期待していると拍子抜けするだろう。
それ程までに今作は癖がない。
キャラも等身大を意識してかハルコ以外あまりはっちゃけないので、日常パートはひたすらJKのだらだらした日常を見せられる。
また、せっかくの戦闘も小規模なものが多く迫力に欠けてしまう。
極めつけはピロウズの曲の使い方。
OVA版でのピロウズは物語の演出の一つだった。印象的なのは4話の野球回で爆弾のついた惑星をナオ太がギターで打ち返すシーン。
少し前からワクワク感と一緒に走っていたクレイジーサンシャイン。そのサビがようやくここで重なる。
冒頭から言われていた「バットを振らないナオ太」から「バットを振るナオ太」への成長のシーンを鮮やかに彩ったいい演出だ。
しかし残念ながら今作にはそういった演出はない。ただBGMとしてのピロウズが流れるだけだ。
とりあえずピロウズ流しておけばいいんでしょ。という考えが透けて見えてしまって少しがっかりした。
でもピロウズが流れてハルコが暴れていたらそれはフリクリなのだ。これは間違いない。
最後によかったところを述べたかったがあまりよく浮かばない・・・。
映画館を出たところでは多少の満足感があったはずなんだが・・・。
懐かしのフリクリを現代のアニメで見れたのが良かったとしか言えない。
この感覚なんかに似てるなーと思ったら、たぶんあれ。トップ無印からのトップ2に似てる。最後カナブンもバスターマシン7号になったし。
フリクリもそれに倣ってプログレで「オカエリナサイ」くらいのファンサービスがあればいいな。