「まさに日本の縮図」ニッポン国VS泉南石綿村 SHさんの映画レビュー(感想・評価)
まさに日本の縮図
正直、扱われている問題は、テレビやニュースのこととしか捉え切れていなくて、原一男作品とはいえ見ることへのためらいがあった。長いし、集中力を持続できる自信もなかったし…
果たして想像通りではあったけれど、それを遙かに超える濃密度であり、報道などとは次元が違う普遍的な作品だった。
とにかく内容や構成が非常にわかりやすくて、効果的なイラストやテロップが意外と良くて、思いのほか作品の展開に釘付けになった。しかも、これまでの原一男作品同様に濃密な人間ドラマが存分に含まれていて、なおかつ、これが今のニッポンの現状だといわんばかりの映像表現に、ただただひれ伏すばかり。途中休憩が挟まれたけれども、3時間近くぶっ続けでも耐えられる、というか画面を凝視続けられる作品だった。泣いて笑って怒りに震えた。久々にフィクションを超えるドキュメンタリーを見た思い。
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