人間機械のレビュー・感想・評価
全2件を表示
詳細は分からないが、日本でも同じ様な事があった。隅田川がドブ川のよ...
詳細は分からないが、日本でも同じ様な事があった。隅田川がドブ川のようだった。長らく隅田川で花火をあげられなかっまのはそれが原因だ。勿論、12間労働は日本の労働基準法に大きく抵触している。しかし、僕の時代でも、一ヶ月150時間残業をした事はある。問題なのは一シフト200ルピーにある。
200ルピーとは日本円にして400円位だ。
何しろ、14億人がひしめく世界一の国。今年はインド、ネパール、と旅したが、旅行中のインドで、物を生産する姿を見たのはこの映画が初めて。ニューデリーを始めとする各都市は作りかけの工事現場ばかりで、完成した雰囲気はなかった。
兎に角、ばい煙が厳しく、タジ・マハールが見えると言うホテルからは薄暗くなる程曇っていた。否、曇っているのではなく、煙っていた。
だがしかし、化石燃料に、頼って生きるこの国が昔の日本を見ているようで、行く末がまだまだ見える。しかし、もし万が一、日本やフランスの様なエネルギー政策に転換をすれば、身体に感じぬ恐怖が忍びよると思ってしまう。ペシミズムあれば良いが。僕にはどうする事も出来ない。
何もかも日本人の能力を超えているし、人口自体が日本の14倍と考えれば、中国と同様脅威の国だ。
イギリスの財閥の一部がインド系の企業に買収されている。どう言った職種かは分からないが、最終的には軍事産業にまで及ぶ勢いのようだ。つまり、それがアメリカ、日本、ヨーロッパの黄禍論。勿論、中国も加わる。だから、日本が空気を読めないで、身勝手な事をやっていた時の黄禍論とは全く違う。
因みに、インドは黄色人種ではないので注意すること。『ロマ族』はインドが起源。と言っても良い。
機械のための人間
終始燃料や機械音が鳴り響く、サウルの息子を思い出す、人を落ち付かさせなくさせる絶え間ない騒音。べったりとしたインドの湿気を感じさせる映像。機械やシンプルなロボットは音を立てたりしなやかに回ったり中にピカピカに磨かれたようなものまで回転して織物を仕上げていく、その下ではまごうことなきマンパワーで機械様のために奉仕する人間の労働者たち。台車やカートを用意するだけでも重い布や染料を肩や頭に乗せて運ばなくても良いのに。経営者や斡旋業者は台車には1ルピーも支払う気はさらさらない、いくらでも調達できる出稼ぎ労働者のほうが安いからだ。機械化されている部分と、極端に機械化どころか道具もないような人間労働者が受け持つ仕事その対比がむごい。
映画館にいたら、機械音につられて寝てしまったかもしれない、機械から出てくるか布を手で受け止める12時間シフトで働く少年を見ながら。 なんということだ。
撮影するものに訴えかける人。撮るだけ撮ったら明日には他所へ行くんだろう、この状況をかえてくれ、変えてくれルナらみんなついていくよと語る人。ドキュメンタリーに関わらず現実と芸術篦はざまでなにができるのか、すべきなのか、答えはわからない。インドでお土産に買い求めた美しい布もこのように作られていたのかもしれないと思うと、映画を撮るものも見るものもこのように無力でよいのかと自省する。
全2件を表示