「歳を重ねていると、より琴線に触れる作品と思いました。」祈りの幕が下りる時 hujiさんの映画レビュー(感想・評価)
歳を重ねていると、より琴線に触れる作品と思いました。
原作関連作未読。予備知識一切無しでした。
関連作を知っている方がキャラクターの理解が深まったと思いますが、観ていなくても特に問題は無かったかなと
観終わった後、ここまで心に響く、刺さる映画はあまり記憶にありません。
作品自体が軽くなってしまうので、泣けたとか言いたくないんですが
ただ心が揺さぶられました。
子の立場、親の立場の両視点が存在するので
人生経験を重ねているとか、子供がいる方が感情移入しやすい、のかも。
10代の私が見てたら果たして、同じように感じていたかはわかりません。
音楽、演出も良かったけど、何より素晴らしいのは俳優女優陣でしょうか。
阿部寛さん、3枚目の役が好きだったんですが、この映画観た後だとそうは言えないですね。
松嶋菜々子さん、ちょーきれいなのに加えて、要所で見せる表情。いいですよね。
本当にみなさん素晴らしいんですが、小日向文世さんが私の中ではMVPです。思い出しただけでもぐっときます。
映画自体は先述したように序盤ややこしいです。人間関係の把握に多少時間がかかる。
今何を調べてるの?と自分の中で整理しながら見ていました。
恐らく原作はもう少し捜査やトリックも焦点あてていたのだろうと思います。
映画化にあたり、そういった面は出来る限り削っているように見受けられました。
これは後半に監督が見せたかったであろうドラマを考えると得策だったと個人的には思います。
推理物、という観点では強い作品ではありません。
ですが原作はそのあたりも描写されているのだろう、と想像できます。
素晴らしい映画に巡り合えました。
この作品を作り上げて下さった皆様、ありがとうございます。
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