「丁寧に作られているが物足りない」祈りの幕が下りる時 とみしゅうさんの映画レビュー(感想・評価)
丁寧に作られているが物足りない
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「新参者」シリーズと呼んでいいのだろうか。
阿部寛さん演じる刑事・加賀恭一郎の最新作にして、完結編となるらしい。
かつて蒸発した母親の消息を追い続け、それゆれに日本橋に残り続けた男が、とある殺人事件をきっかけに、母親の「在りし日の姿と思い」を知ることとなる。
愛しているがゆえに別れ、愛しているがゆえに殺める。
人の性(さが)とも言えるような、切ない動機が明かされていき、それはたしかに感動を誘う。
誘うのだが… 僕は松嶋菜々子さんの演技に不満を感じてしまった。
冷たい言い方になるけれども、彼女の演技力では力不足だと思った。
彼女以外の女優さんが演じていれば、あるいはもっと楽しめる作品になったかもしれない… そう率直に思う。
あと、春風亭昇太さんの演技が、ちょっと過剰に感じた。
これは彼の演技力云々というより、「映画としての演出」ができていないように思えた。
ほとんどの要素が「テレビドラマ的」にしかなっておらず、お金を払って劇場で観に行くような作品にはなっていないと思う。
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