「恋愛映画の王道の中に光る新しさ」パーフェクトワールド 君といる奇跡 R41さんの映画レビュー(感想・評価)
恋愛映画の王道の中に光る新しさ
少し前の恋愛映画であれば、形勢逆転させるのは「奇跡」だろう。
二人を祝福するかのように起きる奇跡は行く先を暗示し、それが映画ならではという特殊感がでる。
それがいいとか悪いとかは視聴者側の受け取り方だ。
この作品も2018年と数年前の恋愛作品ではあるが、少しずつ世の中が変化してきた兆候が見られた。もちろんいい意味で。
この作品自体は概ね単なる恋愛もの。
ディズニー作品の○○姫シリーズと同じ型。
主人公のカワナは高校時代の憧れの先輩を離れて見ていることしかできない。
社会人となり再び出会った先輩は車いすに乗っていた。今でも先輩が好きなカワナにチャンスが訪れたと考えるのはごく普通のことかもしれない。
しかしそれはヘルパーのナガサワが言ったように、並大抵のことでは務まらない。
介護だけもそうなのに、そこに二人の気持ちが強く結ばれ続けることは、本当に、考えれば難しいことだというのは察しが付く。
それでもそれを乗り越えていくという、基本形の恋愛ものだ。
車いす生活者との恋愛、親の反対、自分自身の疲れ…
何の手術かわからなかったが、生命にかかわることだったのだろう。ここで奇跡が起き歩けるようになるわけではないことが、この作品の良かったところだ。
二人がたどり着いた答えは、「二人でいられるならそれだけで世界は完ぺきだ」
高校に佇むシーンは冒頭と同じで、冒頭、カワナがあの桜を見ながら高校時代から今までを回想するのが映画の大半となっている。
登場したイツキ。車いす。何も変わっていないかのようだ。
しかし、そこにあったのは変化した二人。二人が変化したことで様々な障害を乗り越えたのだ。
変化とは、周囲や環境ではなく、観察者である「私」自身が変化することをいう。
この真理が描かれていたのがよかった。
コメントありがとうございます。
そうですね、私も高校の同級生の男子は、
いまだに“くん”付けですものね。
なかなか“さん“には変えれません。
結婚したら、そしたら変わりますよね。
そのうちに“お父さん”お母さん“とか呼び合うかもですね。