パトリオット・ウォー ナチス戦車部隊に挑んだ28人のレビュー・感想・評価
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黒沢明のストーリーテリングは伝説らしいよ
前半は戦闘のための準備と、兵士同士で冗談を言い合っている。冗談の中に今の状況やメッセージなどをさりげなく忍ばせているのが良かったね。
日本の戦士が七人で野盗から村を守る「七人の侍」の話では「日本の戦士は何てったかな?」「サムライか?」「違う。日本だぞ」って、いやいや一応サムライで合ってるだろ。とか。
続いてアメリカのカウボーイ(牛飼い)が同じように戦う「荒野の七人」の話で、自分の村の牛飼いは子どもだとか。
更に歴史書に載っているペルシア戦争の話、映画でいうなら「300」だね。
どれも少人数で大人数を迎え撃つ戦いのことで、これから起こる戦いを暗示すると同時に、キャラクター同士の会話が冗談になっている。
その冗談は観ている私たちに対して違った冗談になっている所が面白いよね。
どれも映画作品名は出ない。この作品の戦いよりも「七人の侍」の方が後なので、もちろん映画的な遊び心なんだけど、ロシアではこんなに遠回しな言い方で観客が作品を理解するほど映画が盛んなのかなとちょっと羨ましくなった。多分、日本では気付かない人の方が多いだろうから。
あとは、見た目がロシア人っぽくない兵士が何人かいて不思議に思っていたのだけれど、この部隊はガザフスタン人が多くいたそうで、その流れかどうかわからないけど、民族の話や国の話なんかも兵士の冗談の中で私たちに情報を教えてくれる。
後半は一転してほとんど戦闘描写。冗談もほぼなし。
何台も登場するドイツ戦車は恐怖を煽ったし、爆撃、銃撃などの迫力は充分で、ちょっと違う話だけど、デジタル撮影の映画ってスゴいなと感心してしまった。
クライマックスは、ドイツ軍が撤退するのが先かロシア兵が全滅するのが先かというギリギリの緊張感が堪らなく良かったね。ちょっとわざとらしく映画的過ぎたとしても、伝説レベルの逸話には尾ヒレがつくものだからね。
それと、生きて帰ってこそ英雄だという言葉は、ありきたりそうで実はあまり聞いたことがない、特に戦争映画では珍しいと思った。普通は戦死した人の方をたたえるもんね。
死んだ者は役目を果たせず無責任で生き残れば英雄というのは、すごくロシア的な考え方なのか、この映画のための言葉なのか判断するためにも違うロシアの戦争映画も観たくなった。
ロシアでは有名な話らしい「パンフィロフの28人」
35,086名のクラウドファンディングで製作。
今朝は中隊だったのが二度の戦闘で小隊に。28人で戦車師団の侵攻を食い止めた時、残りは6人に。
最後に出てくる功績を讃えた石像の出来がイマイチにみえるがロシア的にはいい出来なのか?
ロシア人てお喋りなのね、ずっと軽口叩いてる。
アジア系カザフ人等が多く出てくるの珍しいかも。
補給が無くてお手製武器で戦うところが泣かせる。木製の戦車模型で模擬戦で練習、座学で敵戦車構造の弱点を予習するくだりを入れる事で一発必中の説得力を持たせる演出はある意味斬新。
そんなに予算は無さそうに見えるが知らぬ間にまる一日戦ってたのかぁと思わせる日の光演出はなかなか。
戦闘が始まる40分までは退屈。ロシア人には周知の事実なんだろうがテロップ等何の説明もなく始まるので乗り切れないまま防衛戦開始。
弾も尽き果ていざ白兵戦かという時の長めの溜めがただの繰返しでウザイがまあスッキリ。残り数発を映し出しながら「運じゃない」と言い張るのロシアっぽい。
7人の侍にスリーハンドレッドのエピソードネタありwこの映画でそれぐらい世界的に有名になるつもりか!
軽口がすぎる
第2次対戦下、 ドイツ軍戦車部隊の侵攻を防ぐ為に戦った実在の中隊をモデルにした話開始から30分間背景説明の為の戦地に赴くまでのシーンがだらだら続くが、ペラペラとくだらないつまらないお喋りの嵐で飽々だし何の思い入れも生まれない。
やっとドンパチが始まって、それなりに爆発の連続なんだけど、攻と防とが同時に映るシーンが少ないし、生々しさや勢いがなくて迫力不足だし、相変わらずの緊迫感がない会話で感情が入り込まない。
後半はそこそこの戦闘になったけど、その後の白々しい会話に溜め息しかでなかった。
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