「好奇の目で見つめている自分がいたたまれなくなる。」パーフェクト・レボリューション Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
好奇の目で見つめている自分がいたたまれなくなる。
障害者だから、"セックス"を語ってはいけないのか? 人間としてのあたりまえを訴え続ける活動家・熊篠慶彦(クマ)の実話を、リリー・フランキー主演で映画化した。
エッチ大好きな"クマ"は脳性マヒを抱え、車イス生活を送りながら、障がい者にとっての性の理解を訴える活動を続けている。そんな"クマ"が、20歳も年下の風俗嬢"ミツ"と恋に落ちる。そんな"ミツ"も人格障がいを抱えていた。演じるのは、清野菜名。
障がい者同士の純愛を描きながら、そもそも、普段からエッチなオヤジを醸し出しているリリー・フランキーのハマり役である。
二人の車イスでの騎乗位や、自身のオナニー動画を公開している、"クマ"のわいせつ描写は直接的ではないが、基本あけっぴろげな作品である。
皮肉なのは、健常者なら平凡すぎてつまらないラブストーリーが、映画としては興行になってしまうこと。出演者の演技力で支えられているが、そんなに特殊な撮影技法を使っているわけでもないし、ふつうの映画。
熊篠慶彦の伝えたい"ふつうの行為"を受けとらなければならないのに、"好奇"の目で見つめている自分がいることに、いたたまれなくなったりする。
(2017/9/30 /TOHOシネマズ新宿 /ビスタ)
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